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応用脳科学アカデミー

2022年度

自然セラピー ~生理的リラックス効果と個人差~:宮崎 良文(千葉大学環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特任研究員, グランドフェロー, 名誉教授)

自然セラピーにおける生理的リラックス効果とその過程で生じる個人差をテーマに以下の2パートに分けて講演します。

  1. 森林、公園、木材、花等の自然由来の刺激がもたらす生理的リラックス効果に関して、フィールド実験と室内実験に分けて示します。用いた計測指標は①脳前頭前野活動、②心拍変動性(交感・副交感神経活動)、③ストレスホルモン(唾液中コルチゾール等)等です。
  2. その過程で生じる「個人差」について、1)LIV(初期値の法則)と2)質問紙(タイプA行動パターン、特性不安)を用いてアプローチしている我々の試みを紹介します。

さらに、43年間の研究生活において感じてきた「研究分野間の共同研究」ならびに「大学と企業間の共同研究」における歪な関係と改善に関する私見を述べ、ご批判を頂きたいと思っています。
活発な質疑応答を期待しています。

講師

宮崎 良文 先生
千葉大学 環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特任研究員, グランドフェロー, 名誉教授

日時

2022年10月18日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※宮崎先生の講義は、14:20~15:30です。

場所

オンライン講義 ※変更になりました

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

宮崎 良文(みやざき よしふみ)先生

現職

  • 千葉大学 環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特任研究員, グランドフェロー, 名誉教授

経歴

1977 東京農工大学卒
1979 東京農工大学修士課程(環境保護学)修了
1979 東京医科歯科大学医学部衛生学教室助手
1985 医学博士(東京医科歯科大学より)授与
1988 農林水産省森林総合研究所入所
1992~2001 同研究室長
2001~2007 同生理活性チーム長
2007~2019 千葉大学環境健康フィールド科学センター教授
2009~2018 千葉大学環境健康フィールド科学センター副センター長
2019~ 千葉大学環境健康フィールド科学センター 特任研究員, グランドフェロー
2022~千葉大学名誉教授

研究概要

自然セラピー研究の目的は、「人と自然間の相互作用」の解明です。生理指標としては、脳機能(近赤外分光法等)、自律神経機能(心拍変動性、血圧等)、内分泌機能(唾液中コルチゾール等)および免疫機能(NK細胞活性等)を用います。実験は、フィールド実験(森林セラピー、公園セラピー等)と室内実験(五感を介した単独刺激)の両面から実施します。自然セラピーが持つ生理的リラックス効果を明らかにすることにより、現在、社会問題となっているストレス軽減に貢献します。予防医学的効果という観点からは、医療費の削減にも寄与すると期待されています。
本講演においては、自然セラピーにおける生理的リラックス効果ならびに個人差解明へのアプローチ法について紹介致します。

主な業績

受賞歴
  • 2000 農林水産大臣賞(「木材と森林浴の快適性増進効果の解明」に対して)
  • 2006 日本生理人類学会賞
業績

英語:学術論文 161 報、学術書籍 19 冊(単著 1 報、分担 18 冊)
日本語:学術論文 86 報、学術書籍 65 冊(単著・編集 11 冊、分担 55 冊)
その他の言語(韓国語・中国語):書籍 9 冊(日本語書籍の翻訳)
http://www.fc.chiba-u.jp/research/naturetherapy/

著書
  • 「木材セラピー(共著・創元社)」 2022
  • 「Shinrin-yoku (単著・Hachette UK, 日本語版・森林浴(創元社)を含め16カ国語で出版)」 2019
  • 「自然セラピーの科学 (編集・朝倉書店)2016
  • 「森林医学 II (編集・朝倉書店)2009
  • 「森林医学 (編集・朝倉書店)2006

             

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