1. HOME
  2. 応用脳科学アカデミー
  3. 2022年度
  4. アドバンス 2022年度
  5. 認知バイアスから見た脳とこころのメカニズム:山田 真希子(仮)(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学領域 グループリーダー)

応用脳科学アカデミー

アドバンス 2022年度

認知バイアスから見た脳とこころのメカニズム:山田 真希子(仮)(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学領域 グループリーダー)

偏ったものの見方や思い込みなどの「認知バイアス(認知の歪み・錯覚)」は、これまで、認知科学、社会心理学、行動経済学において研究が続けられてきました。認知バイアスは、外界の刺激などに対して脳内で独自に創造された「主観的経験」です。不正確な判断や非論理的な解釈など、行動経済学において広く非合理性と呼ばれるものにつながる場合もありますが、自分に都合の良い解釈は心の健康につながるなど、精神衛生面においては適応的な側面も有しています。本講義では、人間が犯しやすい認知バイアスの例を紹介し、その定量方法と脳内メカニズムについて概説します。

講師

山田 真希子 先生
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学領域 グループリーダー

日時

2022年9月27日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※山田先生の講義は、14:20~15:30です。

場所

NTTデータ経営研究所 9階 セミナールーム

入館方法

JA共済ビルのエントランスフロアで受付を済ませてから、左側のエレベーターにて9階までお越しください。応用脳科学アカデミーの案内看板が掲示されています。そちら側よりご入室いただきますと、右側奥に応用脳科学アカデミー受付(臨時設置)がございます。

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

山田 真希子(やまだ まきこ)先生

現職

  • 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学領域 グループリーダー

経歴

  • 2006年 京都大学大学院人間・環境学研究科修了、学位取得
  • 2006年 京都大学大学院医学研究科 日本学術振興会特別研究員PD
  • 2007年 シカゴ大学心理学部 日本学術振興会特別研究員PD
  • 2009年 独立行政法人放射線医学総合研究所 研究員
  • 2010年 JST さきがけ(脳情報の解読と制御領域)研究者 兼任
  • 2011年 独立行政法人放射線医学総合研究所 主任研究員
  • 2013年 独立行政法人放射線医学総合研究所 サブリーダー
  • 2013年 National Institute of Mental Health Visiting researcher
  • 2016年 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 チームリーダー
  • 2017年 – 現在 東北大学大学院医学研究科 客員准教授
  • 2019年 – 現在 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部脳とこころの研究グループ グループリーダー
  • 2019年 – 現在 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子生命科学領域 量子認知脳科学グループ グループリーダー

研究概要

うつ病や統合失調症などの精神症状発現に関わる認知バイアス (認知の歪み)の脳内機構解明に取り組んでいます。特に、主観的経験であるこころの現象を理解するためは、正確な客観評価が不可欠となります。そのために私たちは、心理物理学などの認知心理学的手法を用いて、種々の主観的経験(自己意識、視知覚、意思決定など)を数値化しています。そして、安静時及び課題遂行時の磁気共鳴断層装置(MRI)や脳波(EEG)など複数の計測・解析技法を組み合わせた脳神経活動の計測により、認知バイアスの神経機能を抽出し、症状発現メカニズムの理解を深めるとともに、こころの生成原理についての科学的解明を目指しています。

主な業績

  • Ito T, Kimura Y, Seki C, Ichise M, Yokokawa K, Kawamura K, Takahashi H, Higuchi M, Zhang MR, Suhara T, Yamada M. Histamine H(3) receptor density is negatively correlated with neural activity related to working memory in humans. EJNMMI Res 2018, 8(1):48.
  • Yokokawa K, Ito T, Takahata K, Takano H, Kimura Y, Ichise M, Ikoma Y, Isato A, Zhang MR, Kawamura K, Ito H, Takahashi H, Suhara T, Yamada M. Neuromolecular basis of faded perception associated with unreality experience. Sci Rep 2018, 8(1):8062.
  • Ito T, Yokokawa K, Yahata N, Isato A, Suhara T, Yamada M. Neural basis of negativity bias in the perception of ambiguous facial expression. Sci Rep 2017, 7:420.
  • Moriguchi S, Yamada M, Takano H, Nagashima T, Takahata K, Yokokawa K, Ito T, Ishii T, Kimura Y, Zhang MR, Mimura M, Suhara T. Norepinephrine Transporter in Major Depressive Disorder: A PET Study. Am J Psychiatry 2017, 174:36-41.
  • Yamada M, Uddin LQ, Takahashi H, Kimura Y, Takahata K, Kousa R, Ikoma Y, Eguchi Y, Takano H, Ito H, Higuchi M, Suhara T. Superiority illusion arises from resting-state brain networks modulated by dopamine. Proc Natl Acad Sci U S A 2013, 110:4363 – 4367.
  • Yamada M, Camerer CF, Fujie S, Kato M, Matsuda T, Takano H, Ito H, Suhara T. Neural circuits in the brain that are activated when mitigating criminal sentences. Nat Commun 2012, 3:759.
  • Takahashi H, Yamada M, Suhara T. Functional significance of central D1 receptors in cognition: beyond working memory. J Cereb Blood Flow Metab 2012, 32:1248-1258.
  • Yamada M, Lamm C, Decety J. Pleasing frowns and disappointing smiles: an ERP investigation of counterempathy. Emotion 2011, 11:1336-1345.
  • Yamada M, Decety J. Unconscious affective processing and empathy: An investigation of subliminal priming on the detection of painful facial expressions. Pain 2009, 143:71-75. 51.
総説
  • 山田真希子. 量子確率論の脳科学への応用に向けて. 月刊オプトロニクス2020年8月号, 2020.
  • 山田真希子. 省察という意味での自己意識. 人工知能 33(4) 472-475, 2018.
  • 山田真希子. 痛みの共感と向社会行動. 生体の科学 69(1) 59‐62, 2018.
  • 山田真希子, 須原哲也. うつ病症候に関わる認知バイアスの脳機能ネットワークと神経伝達. 日本生物学的精神医学会誌 28(4) 191‐195, 2017.

             

関連講義