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応用脳科学アカデミー

2022年度

時間感覚の脳内メカニズムの解明と操作:林 正道(国立研究開発法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター テニュアトラック研究員)

「時間があっという間に過ぎた」「タイミングが良い」といった言葉をよく耳にするように、「時間」は我々が日常生活を営む上で非常に身近な存在です。そして私達は時々刻々と変化する環境に対して適応的に行動するために、物事の起こるタイミングや持続時間を普段から意識的あるいは無意識的に認識・学習して、それを未来の予測や行動に役立てています。その一方で、我々の時間感覚は、感情や注意など様々な要因によって変容する極めて主観的な感覚です。本講演では、この一見とらえどころのない「時間の感覚」が脳のどのようなメカニズムから生まれてくるのか、また、時間感覚を人工的に制御することができるのかについて調べた最新の研究成果を紹介します。そしてこのような研究成果が、実社会でどのようなインパクトをもたらしうるかについて議論します。

講師

林 正道 先生
国立研究開発法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター テニュアトラック研究員

日時

2022年10月12日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※林先生の講義は、14:20~15:30です。

場所

オンライン講義←ハイブリッド開催より変更になりました

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

林 正道(はやし まさみち)先生

現職

  • 国立研究開発法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター テニュアトラック研究員
  • 大阪大学大学院 生命機能研究科 招聘准教授

経歴

2011年 総合研究大学院大学 生命科学研究科 5年一貫制博士課程修了 博士(理学)
2011年 ヘルシンキ大学 生物医学研究所 研究員
2014年 サセックス大学 心理学部 研究員
2015年 大阪大学大学院 生命機能研究科 研究員
2015年 カリフォルニア大学バークレー校 研究員
2018年 大阪大学 国際医工情報センター 特任助教
2019年 科学技術振興機構 さきがけ兼任研究者
2019年 – 現在 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 研究員 (-2021年)、テニュアトラック研究員(2021年-現在)
2019年 – 現在 大阪大学大学院 生命機能研究科 招聘研究員 (-2021年)、招聘教員(2021年)、招聘准教授(2022年4月-現在)

研究概要

主観的な知覚体験を生み出す脳のメカニズムを明らかにするため、心理物理学実験と、脳機能イメージング・脳刺激等の神経科学的手法を組み合わせて研究を行っています。近年では特に、時間や数量の知覚の脳内メカニズムに焦点を当てて研究を進めています。

主な業績

  • Hayashi MJ, Ivry RB (2020) Duration selectivity in right parietal cortex reflects the subjective experience of time. The Journal of Neuroscience,40(40): 7749-7758.
  • Protopapa F, Hayashi MJ, Kulashekhar S, van der, Zwaag W, Battistella G, Murray MM, Kanai R, Bueti D (2019) Chronotopic maps in supplementary motor area. PLoS Biology, 17(3): e3000026.
  • Hayashi MJ, van der Zwaag W, Bueti D, Kanai R (2018) Representations of time in frontoparietal cortex. Communications Biology, 1: 233.
  • Hayashi MJ, Ditye T, Harada T, Hashiguchi M, Sadato N, Carlson S, Walsh V, Kanai R (2015) Time adaptation shows duration selectivity in the human parietal cortex. PLoS Biology, 13(9): e1002262.
  • Hayashi MJ, Kanai R, Tanabe HC, Yoshida Y, Carlson S, Walsh V, Sadato N (2013) Interaction of numerosity and time in prefrontal and parietal cortex. The Journal of Neuroscience, 33(3): 883-893.
             

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