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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「五感・情動・記憶・意思決定・コミュニケーション」第3回(河原先生・四本先生・岡嶋先生)



タイトル「注意の制御」

講師紹介

河原 純一郎(かわはら じゅんいちろう)先生

  • 河原先生 写真
    【現職】
      北海道大学大学院文学研究院心理学講座 教授
    【経歴】
    • 平成9  広島大学院教育学研究科 博士課程後期修了 学位: 博士(心理学)
    • 平成9  東京大学大学院人文社会系研究科博士研究員(日本学術振興会特別研究員)
    • 平成10  ブリティッシュコロンビア大学心理学科視覚研究室博士研究員
    • 平成11  広島大学教育学部助教授
    • 平成18  産業技術総合研究所 人間福祉医工学研究部門 主任研究員
    • 平成24  中京大学大学院心理学研究科 教授
    • 平成27  北海道大学 大学院文学研究科 特任准教授
    • 令和2  北海道大学 大学院文学研究院 教授(現在に至る)
  • 【研究概要】

    専門は認知心理学で、とくに認知行動に及ぼす注意の影響を調べています。注意は物体認識から記憶、適応的行動にまで関わる、重要な選択と抑制の機構です。一つの作業に集中しているときに、どのような事態に妨害を受けやすいか、いったん妨害を受けてから立ち直るまでの時間経過はどうなっているのか。また、妨害の受けやすさに個人差はあるか。ストレスなど、個人の心身状態と注意の関係はあるかなど、行動実験を主として、応用を視野に入れた研究に取り組んでいます。

  • 【主な業績】
    • Ito, M., & Kawahara, J. (2020). Search and concealment strategies in the spatiotemporal domain. Attention, Perception, & Psychophysics. 10.3758/s13414-020-01976-6
    • Tanda, T., & Kawahara, J. (2020). An object-based template for rejection effect. Visual Cognition. 10.1080/13506285.2020.1722774
    • 前澤知輝・宮崎由樹・松長芳織・柴田彰・河原純一郎 (2020). 衛生マスクへの着香が花粉症の不快感低減に及ぼす効果とその時間的推移 人間工学, 56, 29-33.
    • 宮崎由樹・神山龍一・三宅大輔・河原純一郎 (2019). ウェットティッシュの取り出しやすさが製品の印象や製品選択に及ぼす影響 人間工学, 55, 145-154.
    • Tanda, T. & Kawahara, J. (2019). Association between cue lead time and template-for-rejection effect. Attention, Perception, & Psychophysics, 81, 1880-1889. doi: 10.3758/s13414-019-01761-0
    • Yamauchi, K., & Kawahara, J. (2019). A singleton distractor updates the inhibitory template for visual marking. Acta Psychologica, 192, 200-211. doi:10.1016/j.actpsy.2018.11.014
    • Kawahara, J., & Kumada, T. (2017). Multiple attentional sets while monitoring rapid serial visual presentations. The Quarterly Journal of Experimental Psychology, 70, 2271-2289. doi: 10.1080/17470218.2016.1231827
    • Kihara, K., Kondo, H. M., Y., & Kawahara, J. (2016). Differential contributions of GABA concentration in frontal and parietal regions to individual differences in attentional blink. The Journal of Neuroscience, 36, 8895-8901. doi:10.1523/JNEUROSCI.0764-16.2016
    • 河原純一郎・横澤一彦 (2015). 注意―選択と統合― 勁草書房. ISBN: 978-4326251087
    • 19. 河原純一郎 (2018) 実験心理学ハンドブック 基礎心理学会 (監修) 朝倉書店 [責任編集・1.1, 1.6, 4.3章執筆]
    • 三浦佳世・河原純一郎 (2019). 美しさと魅力の心理. ミネルヴァ書房 (編著). ISBN 9784623086597
    • 河原純一郎 (2020). 注意の容量 研究テーマ別 注意の生涯発達心理学 3章 坂田陽子・河西哲子・日比優子(編著) ナカニシヤ pp. 27-46.

開催概要

講義内容
注意は適応的に行動し、身の回りのものごとを認識するために欠かせない機能ですが、多面性をもっており、いくつもの働きと特性があります。本講義では、まず注意の3つの主要な制御の仕方について解説します。「この位置に注目して、他は無視しよう」というように、注意は能動的・意図的に制御することもできますが、同時に目立つもの/事象にも自動的・非意図的に引っ張られてしまうこともあります。また、これらの他に、過去の経験などによっても無意識的に向けられてしまう注意もあります。こうした複数のタイプの注意制御には時間特性にも違いがあります。講義では、さまざまなタイプの注意制御が働く最適時間についても解説します。この他、製品広告や動画CMを見るときの注意や意図についても紹介する予定です。
日時
2021年10月29日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※河原先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(予定; 永田町)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「脳から考える人間の時間知覚」

講師紹介

四本 裕子(よつもと ゆうこ)先生

  • 四本先生 写真
    【現職】
    • 東京大学 総合文化研究科 准教授
    【経歴】
    • 2005年8月 ブランダイス大学 学位取得:博士(心理学)
    • 2005年6月 - 2008年5月 ボストン大学 リサーチアソシエイト
    • 2006年1月 - 2010年3月 マサチューセッツジェネラルホスピタル リサーチフェロー
    • 2007年1月 - 2010年3月 ハーバードメディカルスクール リサーチフェロー
    • 2008年5月 - 2010年3月 ボストン大学 リサーチフェロー
    • 2010年4月 - 2012年3月 慶應義塾大学 特任准教授
    • 2011年11月 - 2012年5月 慶應義塾大学人間知性センター 特任准教授
    • 2012年4月 - 2012年5月 慶應義塾大学 訪問准教授
    • 2012年6月 - 現在 東京大学 准教授
    受賞歴
    • 平成30年度日本学術振興会賞(2018)
    • マスマティカルサイコロジーミーティング発表賞,ミシガン州アンアーバー(2004)
    • 日本視覚学会発表賞(2000)
    • 日本視覚学会ベストプレゼンテーション賞(1999)
  • 【研究概要】

    専門分野:認知神経科学
    研究テーマ:視覚情報処理に関する研究
    研究テーマに関するキーワード:視知覚,運動制御,脳機能

  • 【主な業績】
    • Neural representations of own-voice in the human auditory cortex. Taishi Hosaka, Marino Kimura, Yuko Yotsumoto. Scientific Reports Jan, 2021 Peer-reviewed Corresponding author.
    • Older adults preserve accuracy but not precision in explicit and implicit rhythmic timing. Elisa M. Gallego Hiroyasu, Yuko Yotsumoto. PLOS ONE 15(10) e0240863 - e0240863 Oct 19, 2020 Peer-reviewed Last author Corresponding author.
    • Effect of change saliency and neural entrainment on flicker-induced time dilation. Luhe Li, Shogo Ito, Yuko Yotsumoto. Journal of Vision 20(6) 15 - 15 Jun 23, 2020. Peer-reviewed Last author Corresponding author.
    • Multiple irrelevant duration information affects the perception of relevant duration information: Interference with selective processing of duration. Kawahara, H, Yotsumoto, Y. i-Perception 2020 Peer-reviewed Last author Corresponding author.

開催概要

講義内容
脳には視覚・聴覚などの感覚知覚に特化した領域が存在する。一方で、時間の知覚は複数の感覚入力が関与する複合的な知覚であり、その単位もミリ秒から年までと幅広い。そのため、時間知覚には複数の脳領域からなるネットワークが関与し、半ば自動的に知覚される場合や、記憶や感情が影響する場合もある。講演では、時間知覚に関するモデルを概説し、具体的な実験例を紹介しながら、脳のネットワークや高次認知が知覚に及ぼす効果について議論する。そして、退屈な時間を長く感じたり、年齢を重ねるにつれて時間がはやく過ぎるように感じる理由について考える。
日時
2021年10月29日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※四本先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(予定; 永田町)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「質感工学と五感工学の基礎と応用」

講師紹介

岡嶋 克典(おかじま かつのり)先生

  • 岡嶋先生 写真
    【現職】
      横浜国立大学大学院 環境情報研究院 教授
      感性脳情報科学YNU研究拠点 拠点長
    【経歴】
    • 1990年 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物理情報工学専攻 博士課程修了
    • 同年   防衛大学校 応用物理学教室 助手
    • 1992年 カナダ国立研究所 客員研究員(1993年まで併任)
    • 2001年 東京工業大学 大学院 客員助教授(2003年まで併任)
    • 2003年 通信・放送機構 研究フェロー(2004年まで併任)
    • 2004年 横浜国立大学 大学院環境情報研究院 助教授
    • 同年   情報通信研究機構 特別研究員(2006年まで併任)
    • 現在   横浜国立大学 大学院環境情報研究院 教授、日本視覚学会会長
  • 【研究概要】

    主に心理物理学的手法を用いて、視覚系を中心とした脳の情報処理機構の解明・モデル化・シミュレーションと、ヒューマンファクタを考慮したバーチャルリアリティ、画像表示システム、コンピュータグラフィックス、色彩処理システム、加齢福祉工学として各種加齢変化シミュレーション・福祉情報システムの研究・開発に従事

  • 【主な業績】
    著書
    • 「講座 感覚・知覚の科学(第5巻):感覚・知覚実験法」(編、共著):朝倉書店
    • 「視覚心理入門-基礎から応用視覚まで-」(共著):オーム社
    • 解説
    • 「色覚異常の基礎と社会的現状」、光学, 45(6), 208-213 (2016)
    • 「視覚情報によって誘発されるクロスモーダル効果」、映像情報メディア学会誌、72(1), 8-11 (2018)
    • 「質感の計測と制御」、(共著) 日本画像学会誌、57(2), 207-213 (2018)
    • 「肌の質感を生かす光」、(共著) 照明学会誌、102(5), 192-197 (2018)
    • 論文
    • "Chimpanzees can visually perceive differences in the freshness of foods," Scientific Reports, 6, #34685 (2016)
    • "Eating with our eyes: From visual hunger to digital satiation," Brain and Cognition, 110, 53-63 (2016)
    • 「移動物体の視認性における後方発光面の輝度の影響」、照明学会誌, 101(6), 229-233 (2017)
    • 「京町家のファサードに好ましい古さ感に関する研究」、日本感性工学会論文誌, 16(3), 285-291 (2017)
    • "A quantitative analysis of the contribution of melanopsin to brightness perception," Scientific Reports, 9, #7568 (2019)
    • "Spectral image processing for museum lighting using CIE LED illuminants,"Sensors, 19, 5400 (2019)
    • 「市街地におけるプロビーム道路灯プロトタイプの開発」、交通工学論文集, 6, No.3, pp.11-20 (2020)

開催概要

講義内容

私たち人間は五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を通して外界の情報をリアルタイムに収集しており、脳はそれらの情報を基に次の行動を決定しています。五感の中でも視覚は生活する上で重要な情報を提供していますが、私たちは視覚情報から外界の形や色、奥行き、動きだけでなく、物体の「質感」という高次な感性情報も瞬時に取得しています。質感は、色や形とともに製品の価値や購買意欲等に直接影響する重要な属性であり、五感すべてに関連しますが、視覚的な質感は定量的な解析がこれまで困難であったため、色彩工学等に比べて工学的アプローチが遅れていましたが、ここ最近大きく進展している研究分野です。

 

また各五感情報は脳内で統合・融合され、1つのイベントとして知覚・認識されます。例えば喫食時には、私たちは食品の見た目と音(と匂い)で事前評価した後、口に入れて匂いと味そして食感という五感情報を駆使しながら食品を味わっています。その際、情報統合によって生じる多感覚(マルチモーダル)効果に加えく、ある感覚が他の感覚に影響を与えるクロスモーダル効果(見た目が味に影響する等)も存在します。これらの効果の存在は、製品開発等において1つの側面、例えば製品の視覚情報(見た目)や聴覚情報(音)だけでなく、それらを融合した際のヒトの知覚特性が製品評価に重要であることを示唆しています。

本講演では、当研究室で実施してきた心理物理学実験ならびにVR/AR実験の成果を中心に、視覚の基礎から質感と多感覚情報処理に関する研究手法ならびに研究動向を紹介するとともに、質感工学と五感工学の今後の展望について述べます。

日時
2021年10月29日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※岡嶋先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(予定; 永田町)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

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