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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「記憶・情動・創造性」第1回(井ノ口先生・酒井先生・岡ノ谷先生)



タイトル「記憶と潜在意識下の脳機能」

講師紹介

井ノ口 馨(いのくち かおる)先生

  • 井ノ口先生 写真
    【現職】
      富山大学 学術研究部 医学系 卓越教授
    【経歴】
    • 1979年  名古屋大学農学部農芸化学科卒業
    • 1984年  名古屋大学大学院農学研究科博士課程修了、農学博士
    • 1985年~1990年  三菱化学生命科学研究所 副主任研究員
    • 1991年~1993年  米国コロンビア大学医学部 博士研究員
    • 1991年~1993年  Howard Hughes Medical Institute リサーチアソシエート
    • 1991年~1993年  ニューヨーク州立精神医学研究所 博士研究員
    • 1993年~2009年  三菱化学生命科学研究所 主任研究員、グループディレクター
    • 2007年~2019年  科学技術振興機構 略的創造研究推進事業 CREST研究代表者
    • 2008年~   日本不安症学会理事・評議員
    • 2009年~2019年 富山大学大学院医学薬学研究部(医学)教授
    • 2018年~    科学研究費 特別推進研究代表者
    • 2019年~ 富山大学 学術研究部 医学系 卓越教授
    • 2020年~ 富山大学 研究推進機構 アイドリング脳科学研究センター長
    受賞歴
    • 2010年時實利彦記念賞
    • 2011年AND Investigator Award
    • 2013年文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
    • 2018年東レ科学技術賞
    • 2019年高峰記念第一三共賞
    • 2019年内藤記念科学振興賞
    • 2019年紫綬褒章
  • 【研究概要】

    30年前から記憶の神経科学的基盤を明らかにする研究を行ってきました。ここ10年は、「記憶同士が関連付けられて新しい記憶にアップデートされるメカニズム」を研究の中心に据えてきました。これらの研究をさらに発展させ、2018年からは「潜在意識下の脳機能に関するアイドリング脳研究」を開始しました。脳が持つ潜在的な能力を科学的な根拠に基づいて理解する道筋を付けていきたいと考えています。

  • 【主な業績】
    英文論文
    • 1. Ghandour, K., Ohkawa, N., Fung, C.C.A., Asai, H., Saitoh, Y., Takekawa, T., Okubo-Suzuki, R., Soya, S., Nishizono, H., Matsuo, M., Osanai, M., Sato, M., Ohkura, M., Nakai, J., Hayashi, Y., Sakurai, T., Kitamura, T., Fukai, T., and Inokuchi, K. Orchestrated ensemble activities constitute a hippocampal memory engram. Nature Communications, 10: 2637 (2019).
    • 2. Abdou K, Shehata M, Choko K, Nishizono H, Matsuo M, Muramatsu S, and Inokuchi K. Synapse-specific Representation of the Identity of Overlapping Memory Engrams. Science, 360, 1227-1231 (2018). doi:10.1126/science.aat3810
    • 3. Yokose J, Okubo-Suzuki R, Nomoto M, Ohkawa N, Nishizono H, Suzuki A, Matsuo M, Tsujimura S, Takahashi Y, Nagase M, Watabe AM, Sasahara M, Kato F, and Inokuchi K. (2017) Overlapping memory trace indispensable for linking, but not recalling, individual memories. Science, 355: 398-403. doi:10.1126/science.aal2690
    • 4. Nomoto M., Ohkawa N., Nishizono H., Yokose J., Suzuki A., Matsuo M., Tsujimura S., Takahashi Y., Nagase M., Watabe A.M., Kato F., and Inokuchi K. (2016) Cellular tagging as a neural network mechanism for behavioral tagging. Nature Communications, 7: 12319. doi:10.1038/ncomms12319
    • 5. Ohkawa N., Saitoh Y., Suzuki A., Tsujimura S., Murayama E., Kosugi S., Nishizono H., Matsuo M., Takahashi Y., Nagase M., Sugimura Y.K., Watabe A.M., Kato F., and Inokuchi K. (2015) Artificial Association of Pre-stored Information to Generate a Qualitatively New Memory. Cell Reports, 11, 261-269 (2015). DOI: 10.1371/journal.pbio.10020701.
    • 6. Kitamura T, Saitoh Y, Takashima N, Murayama A, Niibori Y, Ageta H, Sekiguchi M, Sugiyama H and Inokuchi K. Adult neurogenesis modulates the hippocampus-dependent period of associative memory. Cell, 139; 814-827 (2009)
    • 7. Okada D, Ozawa F and Inokuchi K. Input-specific spine entry of soma-derived Vesl-1S protein conforms to synaptic tagging. Science, 324; 904-909 (2009)
    日本語著作他
    • 1. 井ノ口馨:記憶をつくり変える. 日経サイエンス 11月号. 28-37, (2017)
    • 2. 井ノ口馨:記憶をあやつる. 角川選書、 KADOKAWA (2015)
    • 3. 井ノ口馨:記憶をコントロールする-分子脳科学の挑戦-,岩波科学ライブラリー,岩波書店,(2013)
    • 4. 井ノ口馨(監修)、細胞工学(秀潤社)2011年5月号特集:記憶を分子・細胞の言葉で理解する,vol.30 (2011)

開催概要

講義内容

本講義では、脳の情報処理のメカニズムをわかりやすく解説すると同時に、記憶がアップデートされて新しい意味を持つ情報を脳に蓄える仕組みについてお話しします。また講義の後半では、「潜在意識下の脳の活動とその機能に関する最新の研究成果(未発表の内容)」をお話しします。

睡眠中やリラックスしているときなどに独創的なアイデアなどが出やすいことは昔から良く知られています。私たちの日常生活の中でも、「未解決の課題や悩みごとを放って置いても、睡眠の後やリラックス中に解決策やアイデアが思い浮かんでくる経験」は誰にでもあるでしょう。それらのことを踏まえると、「潜在意識下の脳の機能」に関する研究のインパクトもご理解頂けるものと思います。

日時
2020年11月17日(火)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※井ノ口先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「言語の創造性と人間の脳」

講師紹介

酒井 邦嘉(さかい くによし)先生

  • 酒井先生 写真
    【現職】
      東京大学 大学院総合文化研究科 教授
    【経歴】
    • 1992年 東京大学 大学院理学系研究科 博士課程修了 理学博士
    • 1992年 東京大学 医学部 第一生理学教室 助手
    • 1995年 ハーバード大学 医学部 リサーチフェロー
    • 1996年 マサチューセッツ工科大学 客員研究員
    • 1997年 東京大学 大学院総合文化研究科 助教授
    • 2012年 東京大学 大学院総合文化研究科 教授
    • 2013年 東京大学 理学系研究科 物理学専攻 教授(兼任)
    • 2014年 日本学術会議連携会員
    • 2015年中央教育審議会専門委員
  • 【研究概要】

    脳機能イメージング技術を用いて、言語脳科学を中心とした最先端の研究を行っている。言語は、脳における最も高次の情報処理システムである。われわれが母語を用いて発話したり思考したりするときには、「普遍文法」に基づく言語情報処理を行っている。人間の本性につながる普遍文法の原理が脳でどのように実現されているか、という究極の問題に取り組んでいる。

  • 【主な業績】
    • Sakai, K. L.: Language acquisition and brain development. Science 310, 815-819 (2005).
    • 酒井邦嘉 『言語の脳科学-脳はどのようにことばを生みだすか』 中公新書 (2002)
    • 酒井邦嘉 『科学者という仕事-独創性はどのように生まれるか』 中公新書 (2006)
    • 酒井邦嘉 『脳の言語地図』明治書院 (2009)
    • 酒井邦嘉 『脳を創る読書-なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』実業之日本社 (2011)
    • 酒井邦嘉(編)・曽我大介・羽生善治・前田知洋・千住博 『芸術を創る脳-美・言語・人間性をめぐる対話』 東京大学出版会(2013)
    • 酒井邦嘉 『考える教室』実業之日本社 (2015)
    • 酒井邦嘉 『科学という考え方-アインシュタインの宇宙』 中公新書 (2016)
    • 酒井邦嘉 『高校数学でわかるアインシュタイン-科学という考え方』 東京大学出版会 (2016)
    • 2002年第56回毎日出版文化賞、2005年第19回塚原仲晃記念賞受賞
    • 研究室ホームページ:▶https://www.sakai-lab.jp/

開催概要

講義内容
身近な言語能力から、脳の不思議や人間性の本質について考えてみたいと思います。人間の言語は、「再帰的計算」という本質的な特徴を備えています。再帰的計算に基づく階層的な構造は、自然言語である音声言語や手話にはもちろんのこと、芸術作品にまで反映されていて、興味深い性質です。我々のグループは文法処理に選択的な脳活動をfMRIで調べて、「文法中枢」が左下前頭回と左運動前野外側部であることを明らかにしました。さらに文法判断を適切に調べることで、文法中枢の損傷に伴う文法障害(失文法)を明らかにしました。以上の成果は、言語の核心となる文法機能が大脳皮質の一部に局在するという説(機能局在論)を実証するもので、P・ブローカの流れを汲む脳科学の重要な進展です。
日時
2020年11月17日(火)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※酒井先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「情動の脳内機構と行動制御」

講師紹介

岡ノ谷 一夫(おかのや かずお)先生

  • 岡ノ谷先生 写真
    【現職】
      東京大学 教養学部 生命・認知科学科 認知行動科学分科 教授
    【経歴】
    • 昭和58年3月 慶應義塾大学 文学部社会心理教育学科 卒業
    • 昭和58年8月 メリーランド大学大学院 心理学部 修士課程 入学
    • 平成元年4月 メリーランド大学大学院 心理学研究科 修了、Ph D.
    • 平成元年4月 日本学術振興会特別研究員(上智大学博士研究員)
    • 平成2年10月 科学技術庁科学技術特別研究員(農業研究センター客員研究員)
    • 平成5年10月 井上科学財団特別研究員(慶応義塾大学 心理学研究室 訪問研究員)
    • 平成6年3月 千葉大学 文学部 助教授・大学院 自然科学研究科 兼任助教授
    • 平成8年10月~平成17年3月 科学技術振興事業団・さきがけ21兼任(知と構成・情報と知・協調と制御各領域)
    • 平成16年4月~平成17年3月 理化学研究所 脳科学総合研究センター兼任
    • 平成17年4月~平成22年6月 理化学研究所 脳科学総合研究センター生物言語研究チームチームリーダー
    • 平成20年10月~平成26年3月 JST-ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクト研究総括
    • 平成22年7月~現在 東京大学大学院総合文化研究科教授
    • 平成22年7月~現在理化学研究所非常勤チームリーダー
  • 【研究概要】

    従来、心理学の領域とされてきた情動の研究を、脳神経科学・心理学・言語学・情報学の融合科学として再定義し、あらたな情動モデルを構築することを目指している。この情動の生成・伝達メカニズムを科学的に解明することにより、情動情報のモデル化が可能となり、言語情報と合わせて情動情報が伝達可能なものとなれば、新たな社会的コミュニケーションツールの開発などにも貢献しうると考えられる。

  • 【主な業績】
    • (1) Kutsukake, N., Inada, M., Sakamoto, S. H., & Okanoya, K. (2019). Behavioural interference among eusocial naked mole rats during work. Journal of Ethology. doi:10.1007/s10164-018-0581-9
    • (2) Nakai, T., Rachman, L., Arias, P., Okanoya, K., & Aucouturier, J.-J. (2019). A language-familiarity effect on the recognition of computer-transformed vocal emotional cues. bioRxiv, 521641. doi:10.1101/521641
    • (3) Nakatani, H., Muto, S., Nonaka, Y., Nakai, T., Fujimura, T., & Okanoya, K. (2019). Respect and admiration differentially activate the anterior temporal lobe. Neuroscience Research, 144, 40-47. doi:10.1016/j.neures.2018.09.003
    • (4) Furutani, A., Mori, C., & Okanoya, K. (2018). Trill-calls in Java sparrows: Repetition rate determines the category of acoustically similar calls in different behavioral contexts. Behavioural Processes, 157, 68-72. doi:110.1016/j.beproc.2018.08.010
    • (5) Hessler, N. A., & Okanoya, K. (2018). Physiological identification of cortico-striatal projection neurons for song control in Bengalese finches. Behavioural Brain Research, 349(3), 37–34. doi:10.1016/j.bbr.2018.04.044

開催概要

講義内容

近年、情報科学の進歩により、テレビ会議や携帯電話の絵文字など、さまざまなコミュニケーションツールや手法が開発され、生活の利便性向上に寄与しています。その一方で、この利便性ゆえに個人間・集団間に深刻なコミュニケーション不全が起こるなど、対面会話が主たるコミュニケーション手段であった時代には見られなかった諸問題が発生しています。このことは、「怒り」「喜び」「悲しみ」「不安」といった心の状態を表す情動情報の伝達が不充分であることに起因しているものと考えられます。

本講義では、人間の情動がどのように発生し、それをどのように表現し、伝達することができるかについて解説します。さらに、非言語情報としての情動情報の現れ方を計測するなど、科学的に情動情報を取り扱うことから、将来的にどのような活用が可能かについても述べます。

日時
2020年11月17日(火)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※岡ノ谷先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

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