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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「脳とAI」第3回(稲邑先生・豊泉先生・寺前先生)



タイトル「クラウド型VRを用いた対話型知能ロボット研究の展開」

講師紹介

稲邑 哲也(いなむら てつなり)先生

  • 稲邑先生 写真
    【現職】
      国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 准教授
      総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻 准教授
    【経歴】
    • 1995年 東京大学工学部機械情報工学科 卒業
    • 1997年 東京大学大学院 工学系研究科 情報工学専攻 修士課程修了
    • 2000年 東京大学大学院 工学系研究科 情報工学専攻 博士課程修了
    • 2000年 科学技術振興事業団CREST 研究員
    • 2003年4月 - 2006年3月 東京大学 大学院・情報理工学系研究科 講師
    • 2006年4月 - 2007年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科 特任助教授
    • 2006年4月 - 現在 総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻 准教授
    • 2006年4月 - 現在 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 准教授
    • 2011年8月 - 2013年7月 文部科学省研究振興局 学術調査官
    • 2007年4月 - 2011年6月 東京大学IRT研究機構 特任准教授
    • 1995年 東京大学工学部機械情報工学科卒業
  • 【研究概要】

    人間の日常生活行動を支援することのできる対話型知能ロボットの実現に向けた研究に取り組んでいます.ヒューマノイドロボットの開発から始まり,人間の行動理解,行動の言語的表現への変換法,タスク達成のための協力的対話制御法,対話からの語彙の獲得,ロボットの道具利用スキルの学習,スポーツ動作のコーチングロボット,などの研究に携わってきました.また,近年では,ロボットとの対話学習を効率化するためのクラウド型VRシステムを開発し,人間が参加する新しい形態のロボット競技会を主催する活動も行っています.

  • 【主な業績】
    • 【受賞歴】
      • 2017年 RoboCup Federation Open Source Software Award
      • 2013年 ロボカップジャパンオープン2013 人工知能学会賞
      • 2013年 船井科学技術振興財団 船井学術賞
      • 2013年 日本機械学会 日本機械学会教育賞
      • 2011年 日本ロボット学会 第4回功労賞
      • 2008年 日本ロボット学会 研究奨励賞
      • 2003年 船井情報科学財団 船井情報科学奨励賞受賞
    • 【解説記事】
      • 仮想現実を用いたニューロリハビリテーションのためのクラウドプラットフォーム,稲邑 哲也,計測と制御 56(3) 204-209 2017
      • 長時間の身体的社会的対話実験のためのクラウド型VRプラットフォーム,稲邑 哲也,計測と制御. 55(10) 890-895 2016
      • 社会的知能研究のためのシミュレーションプラットフォーム:SIGVerse,稲邑 哲也,日本ロボット学会誌 31(3) 240-243 2013
    • 【著書】
      • ロボットのおへそ,丸善ライブラリー,2009

開催概要

講義内容
自動運転や荷物のパッキング・運搬作業など,近年の機械学習研究の成果によって知能ロボットの能力が拡大しつつあります.しかしながら,現状のロボットが不得意としている事の一つは人間とのコミュニケーション行動です.特に日常生活に関わる常識が必要とされる行動や人に対する適切な振る舞いを学習するには,人間との対話行動経験が圧倒的に不足しており,簡単には実現が難しいターゲットです.この講演では、VR空間の中で知能ロボットとの対話実験をすることが可能なクラウド型VRプラットフォームを提案し、実ロボットでは収集が困難な対話経験の効率的な収集とその経験の活用についての研究を概説します.また,RoboCupなどでのロボット競技会を通して、ロボットの対話能力が実際の日常生活環境で役にたてるかどうかの評価法を確立する試みについても解説します.
日時
2021年3月11日(木)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※稲邑先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「カオスの縁におけるニューラルネットワークのダイナミクス」

講師紹介

豊泉 太郎(とよいずみ たろう)先生

  • 豊泉先生 写真
    【現職】
    • 理化学研究所 脳神経科学研究センター 数理脳科学研究チーム チームリーダー
    【経歴】
    • 2001年3月 東京工業大学 理学部 物理学科 卒業
    • 2003年3月 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 修士課程 修了
    • 2006年3月 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 博士課程 修了
    • 2006年4月 日本学術振興会 ポスドク研究員(理化学研究所 脳科学総合研究センター,コロンビア大学 理論神経科学センター)
    • 2008年3月 The Robert Leet and Clara Guthrie Patterson Trust ポスドク研究員(コロンビア大学 理論神経科学センター)
    • 2010年4月 理化学研究所 脳科学総合研究センター 基礎科学特別研究員
    • 2011年4月 理化学研究所 脳科学総合研究センター チームリーダー
    • 2018年4月 理化学研究所 脳神経科学研究センター チームリーダー
    • 2019年4月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 連携教授
  • 【研究概要】

    数理モデルの解析を通して,脳の神経回路が環境に対して適応し,学習するメカニズムの研究をしている.統計力学や情報理論などで培われた解析技術をコンピュータシミュレーションと組み合わせることにより,神経回路網が適切に機能する為に必要な基本的原理の理解を目指している.特に,神経細胞がその活動に応じて自身の性質を変化させる現象(神経可塑性)は脳の学習,記憶,発達に大きな役割を果たしている.数理的なモデルを駆使して,細胞レベルから回路レベルの知見を包括する可塑性の理論の構築を目指している.更に,その結果形成される神経回路がどのような情報処理の性能を持つかを予測する.

  • 【主な業績】
    • Kusmierz L., Ogawa S. and Toyoizumi T.: "Edge of chaos and avalanches in neural networks with haeavy-tailed synaptic weight distribution" Physical Review Letters, 125, 028101 (2020), 10.1103/PhysRevLett.125.028101
    • Legaspi R. and Toyoizumi T.: "A Bayesian psychophysics model of sense of agency" Nature Communications 10:4250 (2019), 10.1038/s41467-019-12170-0
    • Humble J., Hiratsuka K., Kasai H., and Toyoizumi T.: "Intrinsic Spine Dynamics Are Critical for Recurrent Network Learning in Models With and Without Autism Spectrum Disorder" Frontiers in Computational Neuroscience 13:38 (2019), 10.3389/fncom.2019.00038
    • Isomura T and Toyoizumi T.: "Error-Gated Hebbian Rule: A Local Learning Rule for Principal and Independent Component Analysis" Scientific Reports , 8, 1835 (2018), 10.1038/s41598-018-20082-0
    • Buckley C L and Toyoizumi T.: "A theory of how active behavior stabilizes neural activity: neural gain modulation by closed-loop environmental feedback" PLOS Computational Biology , 14, e1005926 (2018), 10.1371/journal.pcbi.1005926
    • Kuśmierz Ł and Toyoizumi T.: "Emergence of Lévy walks from second-order stochastic optimization" Physical Review Letters , 119, 250601 (2017), 10.1103/PhysRevLett.119.250601
    • Tajima S, Mita T, Bakkum D, Takahashi H, and Toyoizumi T.: "Locally embedded presages of global network bursts" Proc. Natl. Acad. Sci, 114, 9517-9522 (2017), 10.1073/pnas.1705981114
    • Huang H and Toyoizumi T.: "Clustering of neural code words revealed by a first-order phase transition" Physical Review E, 93, 062416 (2016), 10.1103/PhysRevE.93.062416
    • Toyoizumi T, Kaneko M, Stryker MP, and Miller KD.: "Modeling the dynamic interaction of Hebbian and homeostatic plasticity" Neuron, 84(2), 497-510 (2014), 10.1016/j.neuron.2014.09.036

開催概要

講義内容

脳内における神経活動のダイナミクスを理解する上で、2種類の臨界現象が重要とされています。一つは、神経活動のダイナミクスが非カオス状態からカオス状態に転じる境界領域で観測される現象で、「カオスの縁」と呼ばれています。カオスの縁では、神経ネットワークの計算効率が高まると報告されています。もう一つは、神経ネットワーク上で連鎖的に引き起こされる神経活動の規模(活動時間や細胞数)の分布がべき乗則に従うために大きくばらつく現象で、「雪崩現象」と呼ばれています。脳は臨界現象を示す境界領域付近で機能しているのではないかという仮説がありますが、カオスの縁と雪崩現象の関係はよく分かっていませんでした。

本講演では、生理実験によって観測されている裾の厚いシナプス強度分布をもつニューラルネットワークを解析し、「カオスの縁」と「雪崩現象」が同じ現象の異なる側面として理解できることを示します。

日時
2021年3月11日(木)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※豊泉先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「揺らぎを活かす脳の計算学習原理」

講師紹介

寺前 順之介(てらまえ じゅんのすけ)先生

  • 寺前先生 写真
    【現職】
    • 京都大学 大学院情報学研究科 先端数理科学専攻 非線形物理学講座 准教授
    【経歴】
    • 1998年 京都大学理学部卒業
    • 2003年 京都大学理学研究科博士課程修了 理学博士
    • 2003年 – 2005年 玉川大学学術研究所 研究員
    • 2005年 – 2008年 独立行政法人理化学研究所 脳回路機能理論研究チーム 研究員
    • 2008年 – 2010年 独立行政法人理化学研究所 脳回路機能理論研究チーム 基礎科学特別研究員
    • 2009年 – 2013年 科学技術振興機構さきがけ研究員(兼任)
    • 2010年 – 2012年 独立行政法人理化学研究所 脳回路機能理論研究チーム 副チームリーダー
    • 2012年 – 2018年 大阪大学 情報科学研究科 准教授
    • 2018年 – 京都大学 情報学研究科 准教授
  • 【研究概要】

    数理的観点から脳の計算原理を探求する研究を行っている。特に大脳皮質の確率的な自発活動の生成メカニズムやダイナミクスと機能に着目することで、既存の機械学習や人工知能の限界を超える、自発性や確率性を活かす脳型計算機の構築と学習理論の解明を目指している。

  • 【主な業績】
      論文
    • "Optimal spike-based communication in excitable networks with strong-sparse and weak-dense links", J Teramae, Y Tsubo, T Fukai, Scientific reports 2 (1), 1-6
    • "Local cortical circuit model inferred from power-law distributed neuronal avalanches", J Teramae, T Fukai, Journal of computational neuroscience 22 (3), 301-312
    • "Stochastic phase reduction for a general class of noisy limit cycle oscillators", J Teramae, H Nakao, GB Ermentrout, Physical review letters 102 (19), 194102
      解説・総説
    • 「数理のクロスロード(第13回)脳と知能の数理:理論神経科学の最前線(1)神経細胞の数学」, 寺前 順之介, 数学セミナー 58(1) 70 - 73 2019年1月
    • 「数理のクロスロード(第14回)脳と知能の数理:理論神経科学の最前線(2)神経細胞ネットワークの数学」, 寺前 順之介, 数学セミナー 58(2) 72 - 75 2019年2月
    • 「数理のクロスロード(第15回)脳と知能の数理:理論神経科学の最前線(3)ニューラルネットワークの構造と機能」, 寺前 順之介, 数学セミナー 58(3) 56 - 59 2019年3月

開催概要

講義内容
脳は約千億のニューロンがそれぞれ数千のシナプスを介して互いに結合し合う巨大なネットワークである。興味深いことに脳内では、ニューロンの活動とシナプスの変化との両方が、自発性に、しかもランダムに動作することが分かっている。例えばこのニューロンの自発活動だけで、脳の消費エネルギーの8割以上が使用されているという概算もある。なぜ脳は膨大なエネルギーを消費してまでこのようなランダムな活動を持続しているのだろうか?なぜ高い精度と信頼性を持つ生物の情報処理が、このようなランダムな基盤の上に実現され得るのだろうか?この講義ではこのランダムな自発活動を軸に、ランダムさを利用する脳の計算原理と学習メカニズムに関する最新の研究成果を紹介する。
日時
2021年3月11日(木)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※寺前先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
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