オープンイノベーションによる脳科学の産業応用を推進「異分野の研究者・異業種の民間企業からなるコンソーシアム」

トップページ > アカデミー一覧 > 応用脳科学アカデミーアドバンスコース「ブレインヘルスケアとリハビリテーション」第1回(牛場先生・内藤先生・柴田先生)

応用脳科学アカデミーアドバンスコース「ブレインヘルスケアとリハビリテーション」第1回(牛場先生・内藤先生・柴田先生)



タイトル「感覚運動システムについて-その基本構造とヘルスケア応用-」

講師紹介

牛場 潤一(うしば じゅんいち) 先生

  • 牛場先生 写真
    【現職】
      慶應義塾大学理工学部 准教授
    【経歴】
    • 2001年3月 慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 卒業
    • 2002年8月 慶應義塾大学 大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻前期博士課程修了(修士(工学)取得)
    • 2004年3月 慶應義塾大学 大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻後期博士課程修了(博士(工学)取得)
    【職歴】
    • 2002年11月-2004年3月
      文部省 中核的研究拠点形成プログラム(COE) 生命科学分野「システム生物学による生命機能の理解と制御」 リサーチアシスタント
    • 2003年3月-2003年8月
      デンマーク,オルボー大学 感覚運動統合センター 客員研究員
    • 2004年4月-2007年3月慶應義塾大学 助手(理工学部生命情報学科)
    • 2007年4月-2012年3月慶應義塾大学 専任講師(理工学部生命情報学科)
    • 2012年4月-慶應義塾大学 准教授(理工学部生命情報学科)
    • 2014年4月-2019年3月慶應義塾大学 基礎科学・基盤工学インスティテュート主任研究員(兼担)
  • 【研究概要】

    私たちの脳は自分自身の体の有様を把握しながら巧みに手足を使い、運動を生成します。運動の結果生み出されるさまざまな感覚は神経系にフィードバックされ、次の運動生成に活かされます。私たちの研究グループでは、このような運動と感覚の機能について、生命システムが持つ固有のアーキテクチャを明らかにすることを目指しています。人工機械における感覚運動システムと最も大きく異なる点をひとつ挙げるならば、私たちの神経系には柔軟なアップデート機能が備わっていることです。自分たちの置かれている環境が変わったり、脳卒中や脊髄損傷などの神経疾患によって機能不全な状態が生まれたりすると、神経系はその状況に適用するようにして構造と機能をダイナミックに変化させていきます。その変化は必ずしも最適ではないように思える場合もありますが、脳とロボットを直接つなぐブレイン・マシン・インターフェース技術を使って上手に手ほどきをしてみると、私たちの想像を超えた機能変化がもたらされ、神経機能の再構築が誘導できる場合があります。このように私たちは、感覚運動システムの特性をサイエンスすることで新たな医療福祉技術の創出を目指しています。

  • 【主な業績】
    • Tsuchimoto S, Shindo K, Hotta F, Hanakawa T, Liu M, Ushiba J. Sensorimotor connectivity after motor exercise with neurofeedback in post-stroke patients with hemiplegia. Neuroscience 416:109-25, 2019.
    • Hayashi M, Tsuchimoto S, Mizuguchi N, Miyatake M, Kasuga S, Ushiba J. Two-stage regression of high-density scalp electroencephalograms visualizes force regulation signaling during muscle contraction. Journal of Neural Engineering 16(5):056020, 2019.
    • Takemi M, Maeda T, Masakado Y, Siebner HR, Ushiba J. Muscle-selective disinhibition of corticomotor representations using a motor imagery-based brain-computer interface. NeuroImage 183:597-605, 2018.
    • Kodama M, Ono T, Yamashita F, Ebata H, Liu M, Kasuga S, Ushiba J. Structural gray matter changes in the hippocampus and the primary motor cortex on an-hour-to-one-day scale can predict arm-reaching performance improvement. Journal Frontiers in Human Neuroscience 12:209, 2018.
    • Hasegawa K, Kasuga S, Takasaki K, Mizuno K, Liu M, Ushiba J. Ipsilateral EEG mu rhythm reflects the excitability of uncrossed pathways projecting to shoulder muscles. Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation 14(1):85, 2017.
    • Tsuchimoto S, Shibusawa S, Mizuguchi N, Kato K, Ebata H, Liu M, Hanakawa T, Ushiba J. Resting-State Fluctuations of EEG Sensorimotor Rhythm Reflect BOLD Activities in the Pericentral Area: A Simultaneous EEG-fMRI Study. Fronties in Human Neuroscience 11:356, 2017.
    • Clausen J, Fetz E, Donoghue J, Ushiba J, Spőrhase U, Chandler J, Birbaumar N, Soekadar SR. Help, hope, and hype: Ethical dimensions of neuroprosthetics. Science 356(6345):1338-9, 2017.
    • Kawakami M, Fujiwara T, Ushiba J, Nishimoto A, Abe K, Honaga K, Nishimura A, Mizuno K, Kodama M, Masakado Y, Liu M. A new therapeutic application of brain-machine interface (BMI) training followed by hybrid assistive neuromuscular dynamic stimulation (HANDS) therapy for patients with severe hemiparetic stroke: A proof of concept study. Restorative Neurology and Neuroscience 34(5): 789-97, 2016.
    • Ono T, Tomita Y, Inose M, Ota T, Kimura A, Liu M, Ushiba J. Multimodal sensory feedback associated with motor attempts alters BOLD responses to paralyzed hand movement in chronic stroke patients. Brain Topography 28(2): 340-51, 2015.
    • Kasashima-Shindo Y, Fujiwara T, Ushiba J, Matsushika Y, Kamatani D, Oto M, Ono T, Nishimoto A, Shindo K, Kawakami M, Tsuji T, Liu M. Brain-computer interface training combined with transcranial direct current stimulation in patients with chronic severe hemiparesis: Proof of concept study. Journal of Rehabilitation Medicine 47(4): 318-24, 2015.
    • Hashimoto Y, Ota T, Mukaino M, Liu M, Ushiba J. Functional recovery from chronic writer's cramp by brain-computer interface rehabilitation: a case report. BMC Neuroscience 15: 103, 2014.
    • Mukaino M, Ono T, Shindo K, Fujiwara T, Ota T, Kimura A, Liu M, Ushiba J. Efficacy of brain-computer interface-driven neuromuscular electrical stimulation for chronic paresis after stroke. Journal of Rehabilitation Medicine 46(4): 378-82, 2014.

開催概要

講義内容
本講義の前半では、ヒトの感覚運動機能の基本構造を概説するほか、大脳皮質と脊髄の感覚運動特性を定量する計測方法について、その特徴を紹介します。後半では、運動に関連する脳活動のリアルタイム検出と、その検出結果に基づいて機械を操作する「ブレイン・マシン・インターフェース技術(Brain-Machine Interface,BMI)」を取り上げ、神経疾患などで失われた身体機能を機械で補う「機能代償型BMI」と、失われた神経機能の回復を目指す「機能回復型BMI」の実例を紹介します。講義の最後には、生体情報をリアルタイムにセンシングすることで可能になると考えられる新しいヘルスケア応用について論考します。
日時
2020年11月5日(木)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※牛場先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「人の脳内身体表現の理解と応用」

講師紹介

内藤 栄一(ないとう えいいち)先生

  • 内藤先生 写真
    【現職】
      情報通信研究機構(NICT)脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室 研究マネージャー
      大阪大学大学院生命機能研究科 招へい教授
    【経歴】
    • 1991年 京都大学教育学部教育心理学科 卒業
    • 1996年 京都大学大学院人間・環境学研究科修了 博士(人間・環境学)取得
    • 1996年 岐阜大学医学部助手
    • 1997年 スウェーデン、カロリンスカ研究所に留学
    • 1999年 京都大学総合人間学部助手
    • 2000年~2001年 スウェーデン・カロリンスカ研究所文部科学省若手在外研究員
    • 2003年~2006年 京都大学大学院人間・環境学研究科助手。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報研究所研究員、情報通信研究機構未来ICT研究センターバイオICTグループ研究マネージャーなどを経て、2011年より現職。
    • 2013年~現在  国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 脳情報通信融合研究室 研究マネージャー 大阪大学大学院 生命機能研究科 招聘教授 (併任)
  • 【研究概要】

    子供から高齢者、感覚障害を持つ幅広い人を対象にして、人間の脳内に表現される脳内身体表現を多角的に理解し、運動機能や身体認知を支援・促進できる技術の開発を目指している。

  • 【主な業績】
    • Amemiya K, Morita T, Hirose S, Ikegami T, Hirashima M and Naito E Neurological and behavioral features of locomotor imagery in the blind. Brain Imaging and Behavior DOI: 10.1007/s11682-020-00275-w, 2020.
    • Morita T, Asada M and Naito E Right-hemispheric dominance in self-body recognition is altered in left-handed individuals. Neuroscience 425: 68-89 doi: 10.1016/j.neuroscience.2019.10.056, 2020.
    • Uehara S, Mizuguchi N, Hirose S, Yamamoto S and Naito E Involvement of human left frontoparietal cortices in task-switching between two sequences of skilled finger movements. Brain Research 1722:146365. doi: 10.1016/j.brainres.2019.146365, 2019.
    • Morita T, Asada M and Naito E Developmental changes in task-induced brain deactivation in humans revealed by a motor task. Developmental Neurobiology 79(6): 536-558. doi: 10.1002/dneu.22701, 2019.
    • Amemiya K, Morita T, Saito DN, Ban M, Shimada K, Okamoto Y, Kosaka H, Okazawa H, Asada M and Naito E Local-to-distant development of the cerebrocerebellar sensorimotor network in the typically developing human brain: a functional and diffusion MRI study. Brain Structure and Function 224(3): 1359-1375. DOI 10.1007/s00429-018-01821-5, 2019.

開催概要

講義内容
講演者らの研究チームは、子供から高齢者、感覚障害を持つ幅広い人を対象にして、人間の脳内に表現される脳内身体表現を多角的に理解し、運動機能や身体認知を支援・促進できる技術の開発を目指している。本講演では、脳内身体表現の発達と洗練化、特殊化、機能促進と機能改善という観点から講演者らの成果を中心に解説する。
日時
2020年11月5日(木)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※内藤先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「ニューロフィードバックによる知覚・認知変容の仕組み」

講師紹介

柴田 和久(しばた かずひさ)先生

  • 柴田先生 写真
    【現職】
    • 理化学研究所 脳神経科学研究センター(理研CBS)人間認知・学習研究チーム チームリーダー
    • 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所 客員研究員
    • ブラウン大学 認知言語心理科学部 客員研究員
    • 量子科学技術研究開発機構 客員研究員
    【経歴】
    • 2003年、東京農工大学工学部電気電子工学科卒業
    • 2008年、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程修了、博士(理学)
    • 2008年、国際電気通信基礎技術研究所脳情報研究所、研究員
    • 2009年、ボストン大学心理学部、研究員
    • 2012年、ブラウン大学認知言語心理科学部、研究員
    • 2016年、名古屋大学情報学研究科、准教授
    • 2018年、量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所、主幹研究員
    • 2019年、現職
  • 【研究概要】

    私たちは、自分自身のことを案外よくわかっていません。これは、脳における情報処理の多くが自動的に、そして無意識的に行われているためだと考えることができます。私たちの研究チームは、ヒトの脳における意識的・無意識的情報処理の関係に焦点をあて、認知、意思決定、学習といった脳機能の仕組みを、心理物理学、脳イメージング、機械学習や計算モデルを組み合わせた学際的なアプローチによって明らかにすることを目指します。

  • 【主な業績】
    • Perceptual learning incepted by decoded fMRI neurofeedback without stimulus presentation, Kazuhisa Shibata, Takeo Watanabe, Yuka Sasaki, & Mitsuo Kawato, Science, 2011, 334(6061):1413-1415.
    • Overlearning hyperstabilizes a skill by rapidly making neurochemical processing inhibitory-dominant, Kazuhisa Shibata, Yuka Sasaki, Ji Won Bang, Edward G. Walsh, Maro G Machizawa, Masako Tamaki, Li-Hung Chang, & Takeo Watanabe, Nature Neuroscience, 2017, 20:470-475.
    • Consolidation and reconsolidation share behavioral and neurochemical mechanisms, (*co-first author) Ji Won Bang*, Kazuhisa Shibata*, Sebastian Frank*, Edward Walsh, Mark Greenlee, Takeo Watanabe, and Yuka Sasaki, Nature Human Behavior, 2018, 2:507-513.
    • Differential activation patterns in the same brain region led to opposite emotional states, Kazuhisa Shibata, Takeo Watanabe, Mitsuo Kawato, & Yuka Sasaki, PLoS Biology, 2016, 14(9): e1002546.
    • Monocular deprivation boosts long-term visual plasticity, Kazuhisa Shibata, Mitsuo Kawato, Takeo Watanabe, & Yuka Sasaki, Current Biology, 2012, 22(9):R291-292.

開催概要

講義内容
本講義は、ヒトの脳活動を操作するための技術であるニューロフィードバックについての知識を深め、近年の研究動向を共有することを目的とします。特に、私たちの研究グループによって開発された、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)のリアルタイム測定と機械学習法を組み合わせた新しいニューロフィードバック技術、Decoded Neurofeedback (DecNef)を中心に解説します。DecNefを用いることで、被験者に気づかれることなく、ターゲットの脳部位に特定の脳賦活パターンを誘導することができます。DecNefによって、視覚の学習や連合学習、また顔の好みの増減などさまざまな認知的変化を引き起こすことが可能であることが示されてきました。より最近では、恐怖記憶の緩和といったより臨床に近い分野にもDecNefは応用されはじめています。これら近年の知見を概説したのち、DecNefなどのニューロフィードバックにどのように行動変化が引き起こされるかを説明するための理論モデルについて議論します。
日時
2020年11月5日(木)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※柴田先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

ページトップへ