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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「ブレインヘルスケアとリハビリテーション」第3回(加藤先生・関屋先生・山田先生)



タイトル「うつ病:その対処と治療から脳科学まで」

講師紹介

加藤 忠史(かとう ただふみ)先生

  • 加藤先生 写真
    【現職】
      順天堂大学 医学部精神医学講座 主任教授
    【経歴】
    • 1988年 東京大学医学部附属病院精神神経科 医員(研修医)
    • 1989年 滋賀医科大学付属病院精神科 助手
    • 1995年 アイオワ大学精神科(文部省在外研究員)
    • 1997年 東京大学医学部附属病院精神神経科 助手 
    • 1999年 東京大学医学部附属病院精神神経科 講師
    • 2001年 理化学研究所 脳科学総合研究センター(2018年より脳神経科学研究センター) 精神疾患動態研究チーム チームリーダー
    • 2018年~2020年 東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻脳機能動態学連携講座教授
    • 2019~2020年 理化学研究所 脳神経科学研究センター 副センター長
    • 2020年4月 順天堂大学医学部精神医学講座主任教授
  • 【研究概要】

    双極性障害(躁うつ病)の原因を解明し、診断法・治療法を開発することを目指して、研究を進めています。双極性障害の解明は、うつ病の診断・治療のためにも急務であり、気分制御の神経生物学的メカニズムの解明にもつながります。そのため、動物モデル、細胞モデル、死後脳などを用いて、ゲノミクスや神経科学の最新手法により、基礎と臨床を統合した研究を進めています。現在は特に気分障害における視床室傍核の役割にも注目して研究を進めています。

  • 【主な業績】
    • Sawada T, Chater TE, Sasagawa Y, Yoshimura M, Fujimori-Tonou N, Tanaka K, Benjamin KJM, Paquola ACM, Erwin JA, Goda Y, Nikaido I, Kato T* (in press). Developmental excitation-inhibition imbalance underlying psychoses revealed by single-cell analyses of discordant twins-derived cerebral organoids. Molecular Psychiatry
    • Kato TM, Kubota-Sakashita M, Fujimori-Tonou N, Saitow F, Fuke S, Masuda A, Itohara S, Suzuki H, Kato T* (2018). Ant1 mutant mice bridge the mitochondrial and serotonergic dysfunctions in bipolar disorder. Molecular Psychiatry 23: 2039–2049.
    • Takata A, Matsumoto N, Kato T (2017) Genome-wide identification of splicing QTLs in the human brain and their enrichment among schizophrenia-associated loci. Nature Communications 8: 14519
    • Kasahara T*, Takata A*, Kato TM*, Kubota-Sakashita M, Sawada T, Kakita A, Mizukami H, Kaneda D, Ozawa K, Kato T(*co-first authors) (2016) Depression-like Episodes in Mice Harboring mtDNA Deletions in Paraventricular Thalamus. Molecular Psychiatry, 21: 39-48
    • Kataoka M, Matoba N, Sawada T, Kazuno AA, Ishiwata M, Fujii K, Matsuo K, Takata A, Kato T (2016) Exome sequencing for bipolar disorder points to roles of de novo loss-of-function and protein-altering mutations. Molecular Psychiatry 21: 885-93.
    • Hou L,--Kato, T. (112 of 123 authors), —— McMahon, F.J.*, Schulze, T.G. (2016) Genetic variants associated with response to lithium treatment in bipolar disorder: a genome-wide association study. Lancet, 38: 1085-1093
    • Bundo M, Toyoshima M, Okada Y, Akamatsu W, Ueda J, Nemoto-Miyauchi T, Sunaga F, Toritsuka M, Ikawa D, Kakita A, Kato M, Kasai K, Kishimoto T, Nawa H, Okano H, Yoshikawa T, Kato T, Iwamoto K (2014) Increased L1 retrotransposition in the neuronal genome in schizophrenia. Neuron 81: 306-313
    • Iwamoto K, Bundo M, Ueda J, Oldham MC, Ukai W, Hashimoto E, Saito T, Geschwind DH, Kato T (2011) Neurons show distinctive DNA methylation profile and higher interindividual variations compared with non-neurons. Genome Research 21: 688-696
    • Iwamoto K, Bundo M, Kato T (2005) Altered expression of mitochondria-related genes in postmortem brains of patients with bipolar disorder or schizophrenia, as revealed by large-scale DNA microarray analysis. Human Molecular Genetics 14: 241-253
    • Kakiuchi C, Iwamoto K, Ishiwata M, Bundo M, Kasahara T, Kusumi I, Tsujita T, Okazaki Y, Nanko S, Kunugi H, Sasaki T, Kato T (2003) Impaired feedback regulation of XBP1 as a genetic risk factor for bipolar disorder. Nature Genetics 35: 171-175

開催概要

講義内容
うつ病、という言葉は広く知られていますが、「うつ病とは何か?」と議論し始めると、専門家の間でも議論が起きるかも知れません。本当は心理的反応として捉えるべきケースでも、症状の表面だけでうつ病と診断されてしまう可能性もありますし、うつ病と診断される人は、不安定なパーソナリティーを基盤として、手首自傷などに至るようなケースから、高齢で脳動脈硬化に伴って生じているケースまで、非常に多様です。現在、うつ病は、症状・経過により診断されており、決め手になる検査法が存在しないため、身近な人がうつ病になった時にどう対応すべきかもなかなかわかりにくいと思います。うつ病は、軽症であれば、受容的精神療法、病状説明、休養などでも改善する可能性がありますが、中等症以上では通常抗うつ薬により治療します。しかし、抗うつ薬の効果発現には数週間から数ヶ月を要し、復職までに1年程度を要することも少なくありません。本講義では、うつ病とは何か、うつ病への対処法、そしてうつ病の原因と最近の脳科学の知見について解説します。
日時
2021年2月10日(水)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※加藤先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「感情の機能を理解し、健康行動の促進に役立てる」

講師紹介

関屋 裕希(せきや ゆき)先生

  • 関屋先生 写真
    【現職】
      東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員
    【経歴】
    • 2007年 早稲田大学 第一文学部 心理学専修卒業
    • 2009年 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 発達臨床心理学分野 前期博士課程 修了
    • 2012年 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 発達臨床心理学分野 後期博士課程 修了(PhD)
    • 2012年 東京大学 大学院 医学系研究科 精神保健学分野 特任研究員
    • 2015年 東京大学 大学院 医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員
  • 【研究概要】

    専門領域は産業精神保健(職場のメンタルヘルス)。労働者をはじめとして、未就学児をもつ母親、医療従事者など、幅広い対象に合わせて、ストレスマネジメントプログラムの開発と効果検討研究に携わる。

    また、業種や企業規模を問わず、ストレスチェック制度や復職支援制度など、健康経営を見据えたメンタルヘルス対策・制度の設計、職場環境改善・組織活性化ワークショップ、経営層・管理職・従業員それぞれの層に向けたメンタルヘルスに関する講演や執筆活動を行う。

    大学院時代より、「感情」をテーマに研究を続けてきた背景から、その知見を活かして、理念浸透や組織変革時のインナーコミュニケーションのデザイン・設計にも携わる。

    代表著作は「感情の問題地図(2018.7/技術評論社)」。

  • 【主な業績】
    • Imamura K, Sekiya Y, Asai Y, Umeda M, Horikoshi N, Yasumura S, Yabe H, Akiyama T, Kawakami N. The effect of a behavioral activation program on improving mental and physical health complaints associated with radiation stress among mothers in Fukushima: a randomized controlled trial. BMC Public Health. BMC Public Health. 2016;16(1).
    • Adachi H, Sekiya Y, Imamura K, Wantanabe K, Kawakami N. The effects of training managers on management competencies to improve their management practices and work engagement of their subordinates: A single group pre‐ and post‐test study. Journal of Occupational Health 62, 1, 2020.
    • 関屋裕希(2017).職場のセルフケア研修をより魅力的にするために,私たちには何ができるだろうか~睡眠衛生教育・マインドフルネスを中心に考える~.産業ストレス研究,25,105.
    • The effects of training for managers on management competencies on improvement of work engagement of their subordinates. International Congress of occupational health. Yuki Sekiya, Norito Kawakami. 2018. Dublin.

開催概要

講義内容

私たちの行動は、論理的な判断に基づいているようでいて、実は感情の影響を大きく受けています。

例えば、仕事がうまくいかないとき、論理的に考えれば、「上司や同僚に助言を求める」行動がとれると良いのですが、「こんなことを聞いたら、怒られるかもしれない…やっぱり1人で考えよう」と不安などの感情が作用して行動できなくなることがあります。

感情は、外部の刺激に対して、私たちの生存確率を高めるうえで必要な反応を引き起こす重要な役割を担っていますが、脳神経情報の計測技術の進歩により、メカニズムの解明が進んできています。

この回では、感情がもつ機能やメカニズムを解説し、ヒトの健康行動を促すヒントとなる知見をお伝えします。

日時
2021年2月10日(水)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※関屋先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「認知バイアスから見た脳とこころのメカニズム」

講師紹介

山田 真希子(やまだ まきこ)先生

  • 山田先生 写真
    【現職】

    国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学領域 グループリーダー

    【経歴】
    • 2006年 京都大学大学院人間・環境学研究科修了、学位取得
    • 2006年 京都大学大学院医学研究科 日本学術振興会特別研究員PD
    • 2007年 シカゴ大学心理学部 日本学術振興会特別研究員PD
    • 2009年 独立行政法人放射線医学総合研究所 研究員
    • 2010年 JST さきがけ(脳情報の解読と制御領域)研究者 兼任
    • 2011年 独立行政法人放射線医学総合研究所 主任研究員
    • 2013年 独立行政法人放射線医学総合研究所 サブリーダー
    • 2013年 National Institute of Mental Health Visiting researcher
    • 2016年 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 チームリーダー
    • 2017年 - 現在 東北大学大学院医学研究科 客員准教授
    • 2019年 - 現在 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部脳とこころの研究グループ グループリーダー
    • 2019年 - 現在 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子生命科学領域 量子認知脳科学グループ グループリーダー
  • 【研究概要】

    うつ病や統合失調症などの精神症状発現に関わる認知バイアス (認知の歪み)の脳内機構解明に取り組んでいます。特に、主観的経験であるこころの現象を理解するためは、正確な客観評価が不可欠となります。そのために私たちは、心理物理学などの認知心理学的手法を用いて、種々の主観的経験(自己意識、視知覚、意思決定など)を数値化しています。そして、安静時及び課題遂行時の磁気共鳴断層装置(MRI)や脳波(EEG)など複数の計測・解析技法を組み合わせた脳神経活動の計測により、認知バイアスの神経機能を抽出し、症状発現メカニズムの理解を深めるとともに、こころの生成原理についての科学的解明を目指しています。

  • 【主な業績】
    • Ito T, Kimura Y, Seki C, Ichise M, Yokokawa K, Kawamura K, Takahashi H, Higuchi M, Zhang MR, Suhara T, Yamada M. Histamine H(3) receptor density is negatively correlated with neural activity related to working memory in humans. EJNMMI Res 2018, 8(1):48.
    • Yokokawa K, Ito T, Takahata K, Takano H, Kimura Y, Ichise M, Ikoma Y, Isato A, Zhang MR, Kawamura K, Ito H, Takahashi H, Suhara T, Yamada M. Neuromolecular basis of faded perception associated with unreality experience. Sci Rep 2018, 8(1):8062.
    • Ito T, Yokokawa K, Yahata N, Isato A, Suhara T, Yamada M. Neural basis of negativity bias in the perception of ambiguous facial expression. Sci Rep 2017, 7:420.
    • Moriguchi S, Yamada M, Takano H, Nagashima T, Takahata K, Yokokawa K, Ito T, Ishii T, Kimura Y, Zhang MR, Mimura M, Suhara T. Norepinephrine Transporter in Major Depressive Disorder: A PET Study. Am J Psychiatry 2017, 174:36-41.
    • Yamada M, Uddin LQ, Takahashi H, Kimura Y, Takahata K, Kousa R, Ikoma Y, Eguchi Y, Takano H, Ito H, Higuchi M, Suhara T. Superiority illusion arises from resting-state brain networks modulated by dopamine. Proc Natl Acad Sci U S A 2013, 110:4363 - 4367.
    • Yamada M, Camerer CF, Fujie S, Kato M, Matsuda T, Takano H, Ito H, Suhara T. Neural circuits in the brain that are activated when mitigating criminal sentences. Nat Commun 2012, 3:759.
    • Takahashi H, Yamada M, Suhara T. Functional significance of central D1 receptors in cognition: beyond working memory. J Cereb Blood Flow Metab 2012, 32:1248-1258.
    • Yamada M, Lamm C, Decety J. Pleasing frowns and disappointing smiles: an ERP investigation of counterempathy. Emotion 2011, 11:1336-1345.
    • Yamada M, Decety J. Unconscious affective processing and empathy: An investigation of subliminal priming on the detection of painful facial expressions. Pain 2009, 143:71-75. 51.
    • 総説
    • 山田真希子. 量子確率論の脳科学への応用に向けて. 月刊オプトロニクス2020年8月号, 2020.
    • 山田真希子. 省察という意味での自己意識. 人工知能 33(4) 472-475, 2018.
    • 山田真希子. 痛みの共感と向社会行動. 生体の科学 69(1) 59‐62, 2018.
    • 山田真希子, 須原哲也. うつ病症候に関わる認知バイアスの脳機能ネットワークと神経伝達. 日本生物学的精神医学会誌 28(4) 191‐195, 2017.

開催概要

講義内容
偏ったものの見方や思い込みなどの「認知バイアス(認知の歪み・錯覚)」は、これまで、認知科学、社会心理学、行動経済学において研究が続けられてきました。認知バイアスは、外界の刺激などに対して脳内で独自に創造された「主観的経験」です。不正確な判断や非論理的な解釈など、行動経済学において広く非合理性と呼ばれるものにつながる場合もありますが、自分に都合の良い解釈は心の健康につながるなど、精神衛生面においては適応的な側面も有しています。本講義では、人間が犯しやすい認知バイアスの例を紹介し、その定量方法と脳内メカニズムについて概説します。
日時
2021年2月10日(水)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※山田先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

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