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応用脳科学アカデミーベーシックコース3「ELSI」第1回(中澤先生・吉田先生・本澤先生)



タイトル「脳科学分野におけるELSI」

講師紹介

中澤 栄輔(なかざわ えいすけ)先生

  • 中澤先生 写真
    【現職】
      東京大学大学院 医学系研究科 医療倫理学分野 講師
    【経歴】
    • 2000年3月 日本大学文理学部卒業
    • 2002年3月 日本大学大学院文学研究科哲学専攻博士前期課程修了
    • 2006年3月 東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻(科学史・科学哲学)修士課程修了
    • 2009年3月 東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻(科学史・科学哲学)博士課程修了
    • 2009年4月 東京大学グローバルCOE 「共生のための国際哲学教育研究センター」特任研究員
    • 2011年4月 東京大学グローバルCOE 「共生のための国際哲学教育研究センター」特任助教
    • 2012年4月 東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻医療倫理学分野特任助教
    • 2013年5月 東京大学医学部健康総合科学科保健管理学教室助教
    • 2017年6月 東京大学医学部健康総合科学科保健管理学教室講師
    • 2017年6月 東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野講師
  • 【研究概要】

    自然主義という哲学的立場から、主に脳科学と共に生じる倫理的問題を理論的に研究しています。医療の現場、科学の現場と哲学・倫理理論を横断する研究であり、その中には研究者に対する倫理的支援も含まれます。終末期医療や生殖補助医療、臓器移植や再生医療、脳科学を始めとした先端医科学技術など、科学と人間とのあいだで「今まさに生じている」摩擦について、医療の最前線、研究の最前線で困難を抱える人と共に、問題の解決を哲学の立場から取り組んでいます。

  • 【主な業績】
    • Nakazawa E, Yamamoto K, Tachibana K, Toda S, Takimoto Y, Akabayashi A. 2016. Ethics of Decoded Neurofeedback in Clinical Research, Treatment, and Moral Enhancement. American Journal of Bioethics Neuroscience 7(2): 110–117.
    • Sadato N, Morita K, Kasai K, Fukushi T, Nakamura K, Nakazawa E, Okano H, Okabe S. 2019. Neuroethical issues of the Brain/MINDS project of Japan. Neuron 101 (February 6, 2019):385–389. https://doi.org/10.1016/j.neuron.2019.01.006
    • Nakazawa E, Yamamoto K, Akabayashi A, Shaw MH, Demme RA, Akabayashi A. 2020. Will you give my kidney back? Organ restitution in living related kidney transplantation: Ethical analyses. Journal of Medical Ethics 46:144–150. doi:10.1136/medethics-2019-105507
    • 中澤栄輔. 2020. 臨床研究の歴史と研究倫理.『整形外科』71(6):598–601.

開催概要

講義内容
脳科学分野は急速に発展しています。それにより、わたしたち市民は脳科学研究の恩恵を受けることができます。しかし、それと同時に、わたしたちは脳科学研究の成果がわたしたちの従来の社会や人間観にどのように影響を及ぼすのか、吟味する必要があります。例えば、治療を超えて人間の能力の増強を目的とした医療的な介入である「エンハンスメント」は、わたしたちの社会にどのようなインパクトをもたらすでしょうか。また、わたしたちの人間観にどのような影響を与えるのでしょうか。この講義では、脳科学分野のELSIについてこれまでの議論を概観するとともに、認知や情動にたいしてエンハンスメントを目的として医療的な介入を行うことの社会的・人間的な影響について考えてみたいと思います。
日時
2021年7月20日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※中澤先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
オンライン開催
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「個人情報保護法とその動向について」

講師紹介

吉田 秀平(よしだ しゅうへい)先生

  • 吉田先生 写真
    【現職】
      よしだ法律事務所 弁護士
    【経歴】
    • 東北大学法学部卒業(2004年3月)
    • 東証一部上場企業法務部勤務(~2010年3月)
    • 首都大学東京法科大学院卒業(2012年3月)
    • 弁護士登録(第一東京弁護士会)(2013年12月~)
    •  都内法律事務所に所属、会社顧問、社外取締役、社外監査役を兼任
    • 文部科学省原子力損害賠償紛争解決センター調査官兼任(~2017年3月)
    • よしだ法律事務所開設(2019年4月~)
    • 首都大学東京法科大学院 非常勤講師を兼任(2019年4月~)
  • 【研究概要】

    特になし

  • 【主な業績】

    共著「データ戦略と法律 攻めのビジネスQ&A」(日経BP社)

開催概要

講義内容

近年、EUにおけるGDPRの施行など国際的に個人情報の取扱いのルールが見直される状況にあり、日本の「個人情報の保護に関する法律」も昨年6月に改正に引き続き、本年5月にも「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の成立に伴い改正されるなど、活発に法制度の見直しが行われています。

本講義では、「個人情報の保護に関する法律」および同法の改正動向の概要と主に学術研究分野への影響等について解説いたします。

日時
2021年7月20日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※吉田先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
オンライン開催
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「企業におけるELSI対応(自動車技術研究・開発における生命倫理の例をもとに)」

講師紹介

本澤 養樹(もとざわ やすき)先生

  • 本澤先生 写真
    【現職】
      滋賀医科大学社会医学講座客員教授
    【経歴】
    • 1982年東京工業大学工学部生産機械工学科卒業,2008年博士(医学)(獨協医科大学).
    • 1982年より2017年まで株式会社本田技術研究所入社,2002年より同 主任研究員,設計,衝突安全研究,生体工学研究に従事.
    • 2003年より2015年まで獨協医科大学法医学講座,交通外傷研究に従事.
    • 2014年より2020年まで東京都市大学工学部客員教授.
    • 2015年より滋賀医科大学社会医学講座客員教授
    • 2017年より2020年まで帝京大学理工学部客員教授.
    • 2009年より2017年まで公益社団法人 自動車技術会研究倫理委員会委員
    • 2016年より同 自動車工学基礎講座講師
    • 2019年より同 技術者のための倫理育成検討ワーキンググループリーダ
    • 2021年より同 エシカルエンジニア開発委員会委員長
  • 【研究概要】

    自動車OEMエンジニアとして,車体質量分割による乗員減速度制御の研究,衝突荷重制御構造による乗員減速度制御の研究,妊婦自動車乗員の傷害メカニズムの定量的検討,人体有限要素モデルを用いた高齢者乗員の胸部応答解析など,医学・工学の学際領域において小型車,妊産婦さん,高齢者などの「交通弱者」保護の研究に長年従事しました.また生体工学の研究経験をもとに工学領域における生命倫理について提言をおこなってきました.近年は公益社団法人自動車技術会において,AI実装時代の技術者に求められる倫理コンピテンスを開発する人材育成プログラムを推進しています.

  • 【主な業績】
    • 学術論文(英文,査読有)19件(h-index: 7).学術論文(和文,査読有)13件.
    • 国際会議プロシーディング(英文,査読有)6件.
    • 研究発表(予稿有 査読無)24件.
    • 2001年 5月(社)自動車技術会 技術開発賞受賞 (Gコントロール技術を応用した軽/小型車用新衝突安全ボディの開発).
    • 2008年 5月(社)自動車技術会 優秀論文講演賞受賞 (妊婦ダミーを用いた後面衝突時の乗員応答の実験的検討.
    • 特許(登録済)45件.

開催概要

講義内容
高度運転支援(自動運転)をはじめAIを基盤とする自動車の技術が実用段階に近づいています.これらの技術は時にドライバーの認知,判断,行動に直接,間接的に介入する必要があり,HMI(Human-Machine Interface)は重要な要素技術となっています.HMIの研究開発においては「人を対象とする研究」が不可欠であり,研究参加者の人権と心身への安全性に配慮したプロトコルで行わなければなりません.わが国では医学研究者が主体となっておこなう研究については,文部科学省・厚生労働省のいわゆる統合指針に沿ってプロトコルの倫理審査が実施されています.しかしながら純粋な工学研究を対象とした倫理指針は公的には存在せず,生命倫理的な妥当性の検証が十分に行われないまま実施される可能性もあります.本講義では講師の企業(自動車OEM)内,関連学会(公益社団法人自動車技術会)における生命倫理のルールメーキングの経験をもとに.企業内研究における生命倫理的チェックの重要性と工学系研究,企業内研究の課題について,実例を交えて解説します.
日時
2021年7月20日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※本澤先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
オンライン開催
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。
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