オープンイノベーションによる脳科学の産業応用を推進「異分野の研究者・異業種の民間企業からなるコンソーシアム」

トップページ > アカデミー一覧 > 応用脳科学アカデミーアドバンスコース「脳とAI」第3回(長尾先生・豊泉先生・吉本先生)

応用脳科学アカデミーアドバンスコース「脳とAI」第3回(長尾先生・豊泉先生・吉本先生)

タイトル「説明できるAI→共進化AI→人工脳」

講師紹介

長尾 智晴(ながお ともはる)先生

  • 長尾先生 写真
    【現職】
      横浜国立大学 大学院環境情報研究院 教授
      YNU人工知能研究拠点 拠点長
    【経歴】
      • 東京工業大学 総合理工学研究科博士課程後期中退(助手就任のため)。90年博士号取得。同大学工学部附属像情報工学研究施設助手、助教授を経て、01年より現職。横浜国立大学発ベンチャー(株)マシンインテリジェンス取締役CTOを兼務。多数の企業との共同研究など、産学官連携に尽力中。

      所属学会:電子情報通信学会、情報処理学会、電気学会、人工知能学会、計測自動制御学会、映像情報メディア学会、進化計算学会、進化経済学会、日本ロボット学会、日本視覚学会、医用画像情報学会、IEEEなど。

  • 【研究概要】

    進化計算法に基づく進化的機械学習をベースにして、画像・音声処理、視知覚情報処理、分散人工知能、神経回路網・並列分散処理、進化計算法、金融工学、ロボティクス、マンマシンインタフェース、医工連携工学、感性情報処理など、人と機械の知能に関する広範囲な学際領域を研究対象としている。

  • 【主な業績】
    • 論文・国際会議・学会発表多数。著書多数。
    • 【最近の特許】
    • ニューラルネットワークシステム、機械学習方法及びプログラム(浸透学習法)(PCT/JP2018/028633)
    • 説明文生成装置、説明文書作成方法およびプログラム(特許6439211)
    • ほか

開催概要

講義内容
人工ニューラルネットワークの研究が以前から行われており,現在,深層学習(ディープラーニング)が注目されていますが,処理内容がブラックボックスになることが企業へのAI導入の妨げになっています.このため,深層学習などの機械学習・AIの判断根拠や処理内容を人に「説明できるAI」(XAI: explainable AI)が求められています.XAIによってAIの考え方を人が理解できるようになると,今度は逆に人がAIを「教育」することで,人とAIが相互に高め合う「共進化AI」(CAI: co-evolutional AI)が実現できます.これは,将来的に深層学習より複雑で様々な機能をもった複雑な「人工脳」とでも呼ぶべきニューラルネットワークの構築につながると考えられます.ここではこれらについて解説します.
日時
2021年10月19日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※長尾先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(予定; 永田町)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「カオスの縁におけるニューラルネットワークのダイナミクス」

講師紹介

豊泉 太郎(とよいずみ たろう)先生

  • 豊泉先生 写真
    【現職】
    • 理化学研究所 脳神経科学研究センター 数理脳科学研究チーム チームリーダー
    【経歴】
    • 2001年3月 東京工業大学 理学部 物理学科 卒業
    • 2003年3月 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 修士課程 修了
    • 2006年3月 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 博士課程 修了
    • 2006年4月 日本学術振興会 ポスドク研究員(理化学研究所 脳科学総合研究センター,コロンビア大学 理論神経科学センター)
    • 2008年3月 The Robert Leet and Clara Guthrie Patterson Trust ポスドク研究員(コロンビア大学 理論神経科学センター)
    • 2010年4月 理化学研究所 脳科学総合研究センター 基礎科学特別研究員
    • 2011年4月 理化学研究所 脳科学総合研究センター チームリーダー
    • 2018年4月 理化学研究所 脳神経科学研究センター チームリーダー
    • 2019年4月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 連携教授
  • 【研究概要】

    数理モデルの解析を通して,脳の神経回路が環境に対して適応し,学習するメカニズムの研究をしている.統計力学や情報理論などで培われた解析技術をコンピュータシミュレーションと組み合わせることにより,神経回路網が適切に機能する為に必要な基本的原理の理解を目指している.特に,神経細胞がその活動に応じて自身の性質を変化させる現象(神経可塑性)は脳の学習,記憶,発達に大きな役割を果たしている.数理的なモデルを駆使して,細胞レベルから回路レベルの知見を包括する可塑性の理論の構築を目指している.更に,その結果形成される神経回路がどのような情報処理の性能を持つかを予測する.

  • 【主な業績】
    • Kusmierz L., Ogawa S. and Toyoizumi T.: "Edge of chaos and avalanches in neural networks with haeavy-tailed synaptic weight distribution" Physical Review Letters, 125, 028101 (2020), 10.1103/PhysRevLett.125.028101
    • Legaspi R. and Toyoizumi T.: "A Bayesian psychophysics model of sense of agency" Nature Communications 10:4250 (2019), 10.1038/s41467-019-12170-0
    • Humble J., Hiratsuka K., Kasai H., and Toyoizumi T.: "Intrinsic Spine Dynamics Are Critical for Recurrent Network Learning in Models With and Without Autism Spectrum Disorder" Frontiers in Computational Neuroscience 13:38 (2019), 10.3389/fncom.2019.00038
    • Isomura T and Toyoizumi T.: "Error-Gated Hebbian Rule: A Local Learning Rule for Principal and Independent Component Analysis" Scientific Reports , 8, 1835 (2018), 10.1038/s41598-018-20082-0
    • Buckley C L and Toyoizumi T.: "A theory of how active behavior stabilizes neural activity: neural gain modulation by closed-loop environmental feedback" PLOS Computational Biology , 14, e1005926 (2018), 10.1371/journal.pcbi.1005926
    • Kuśmierz Ł and Toyoizumi T.: "Emergence of Lévy walks from second-order stochastic optimization" Physical Review Letters , 119, 250601 (2017), 10.1103/PhysRevLett.119.250601
    • Tajima S, Mita T, Bakkum D, Takahashi H, and Toyoizumi T.: "Locally embedded presages of global network bursts" Proc. Natl. Acad. Sci, 114, 9517-9522 (2017), 10.1073/pnas.1705981114
    • Huang H and Toyoizumi T.: "Clustering of neural code words revealed by a first-order phase transition" Physical Review E, 93, 062416 (2016), 10.1103/PhysRevE.93.062416
    • Toyoizumi T, Kaneko M, Stryker MP, and Miller KD.: "Modeling the dynamic interaction of Hebbian and homeostatic plasticity" Neuron, 84(2), 497-510 (2014), 10.1016/j.neuron.2014.09.036

開催概要

講義内容

脳内における神経活動のダイナミクスを理解する上で、2種類の臨界現象が重要とされています。一つは、神経活動のダイナミクスが非カオス状態からカオス状態に転じる境界領域で観測される現象で、「カオスの縁」と呼ばれています。カオスの縁では、神経ネットワークの計算効率が高まると報告されています。もう一つは、神経ネットワーク上で連鎖的に引き起こされる神経活動の規模(活動時間や細胞数)の分布がべき乗則に従うために大きくばらつく現象で、「雪崩現象」と呼ばれています。脳は臨界現象を示す境界領域付近で機能しているのではないかという仮説がありますが、カオスの縁と雪崩現象の関係はよく分かっていませんでした。

本講演では、生理実験によって観測されている裾の厚いシナプス強度分布をもつニューラルネットワークを解析し、「カオスの縁」と「雪崩現象」が同じ現象の異なる側面として理解できることを示します。

日時
2021年10月19日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※豊泉先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(予定; 永田町)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶ お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「学習理論から迫る脳の意思決定と情動」

講師紹介

吉本 潤一郎(よしもと じゅんいちろう)先生

  • 吉本先生 写真
    【現職】
    • 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科情報科学領域 准教授
    • 国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所 客員主幹研究員
    【経歴】
    • 2002年10月 - 2004年3月 科学技術振興機構 CREST銅谷プロジェクト 研究員
    • 2004年4月 - 2005年8月 科学技術振興機構 沖縄新大学院大学先行研究事業 研究員
    • 2005年9月 - 2010年3月 沖縄科学技術研究基盤整備機構 神経計算ユニット 研究員
    • 2010年4月 - 2011年10月 沖縄科学技術研究基盤整備機構 神経計算ユニット グループリーダー
    • 2011年11月 - 2015年7月 沖縄科学技術大学院大学学園 神経計算ユニット グループリーダー
    • 2015年8月 - 2018年3月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授
    • 2015年8月 - 2019年3月 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 客員研究員
    • 2018年4月 - 現在 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科情報科学領域 准教授
    • 2018年12月 - 現在 ATR脳情報通信総合研究所 計算脳イメージング研究室 客員主幹研究員
  • 【研究概要】

    ベイズ推定や強化学習を中心とした機械学習法の開発とその生命科学データ解析への応用に関する研究

  • 【主な業績】
    • Nakano, T., Takamura, M., Ichikawa, N., Okada, G., Okamoto, Y., Yamada, M., … Yoshimoto, J. (2020). Enhancing Multi-Center Generalization of Machine Learning-Based Depression Diagnosis From Resting-State fMRI. Frontiers in Psychiatry, 11(May), 1–10.
    • Tokuda, T., Yoshimoto, J., Shimizu, Y., Okada, G., Takamura, M., Okamoto, Y., … Doya, K. (2018). Identification of depression subtypes and relevant brain regions using a data-driven approach. Scientific Reports, 8(1), 14082.
    • Nagai, T., Yoshimoto, J., Kannon, T., Kuroda, K., & Kaibuchi, K. (2016). Phosphorylation Signals in Striatal Medium Spiny Neurons. Trends in Pharmacological Sciences, 37(10), 858–871.
    • Yoshimoto, J., Sato, M.-A., & Ishii, S. (2011). Bayesian Normalized Gaussian Network and Hierarchical Model Selection Method. Intelligent Automation & Soft Computing, 17(1), 71–94.
    • Yoshimoto, J., Nishimura, M., Tokita, Y., & Ishii, S. (2005). Acrobot control by learning the switching of multiple controllers. Artificial Life and Robotics, 9(2), 67–71.
    • Hirayama, J., Yoshimoto, J., & Ishii, S. (2004). Bayesian representation learning in the cortex regulated by acetylcholine. Neural Networks, 17(10), 1391–1400.

開催概要

講義内容
過去の経験に基づき、将来を予測し、意思決定に役立てる能力を「学習」といいます。我々人間の脳は、意識することなく簡単に実現してしまっている学習ですが、どのような仕組みでそれが実現されているのでしょうか?本講義では、機械学習の理論やアルゴリズムを活用して、脳の学習・意思決定・情動の仕組みを理解しようとする試みをご紹介します。
日時
2021年10月19日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※吉本先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(予定; 永田町)
ページトップへ