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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「脳とAI」第1回(銅谷先生・我妻先生・吉本先生)



タイトル「人工知能は脳から何を学べば良いのか」

講師紹介

銅谷 賢治(どうや けんじ)先生

  • 銅谷先生 写真
    【現職】
      沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授
    【経歴】
    • 1961年東京生まれ.東京大学卒,博士(工学).東大工学部助手から1991年にサンディエゴに移りソーク研究所などで脳科学を学ぶ.1994年から京都のATR研究所にて自ら行動を学習するロボットの開発と,脳の学習のしくみの研究を行う.2004年に沖縄に渡り沖縄科学技術大学院大学 (OIST) 先行研究代表研究者、2011年OIST開学とともに神経計算ユニット教授,副学長に就任.2008年Neural Networks誌共同編集長.2011年「予測と意思決定」、2016年「人工知能と脳科学」新学術領域代表.2007年学術振興会賞,塚原仲晃賞,2012年文部科学大臣表彰科学技術賞,2018年国際神経回路学会Donald O. Hebb賞,2019年日本神経回路学会学術賞,アジア太平洋神経回路学会卓越業績賞受賞.2019年Ironman Taiwan年代別2位入賞.
  • 【研究概要】

    強化学習アルゴリズムの開発とその脳内機構の解明をめざし、自律学習進化ロボット、大農基底核による強化学習、セロトニンによる神経修飾、脳内シミュレーションの神経回路機構などの研究に取り組んでいる。

  • 【主な業績】
    • Doya K, Taniguchi T (2019). Toward evolutionary and developmental intelligence. Current Opinion in Behavioral Sciences, 29, 91-96.
    • Miyazaki K, Miyazaki KW, Yamanaka A, Tokuda T, Tanaka KF, Doya K (2018). Reward probability and timing uncertainty alter the effect of dorsal raphe serotonin neurons on patience. Nature Communications, 9:2048.
    • Tokuda T, Yoshimoto J, Shimizu Y, Okada G, Takamura M, Okamoto Y, Yamawaki S, Doya K (2018). Identification of depression subtypes and relevant brain regions using a data-driven approach. Scientific Reports, 8, 14082.
    • Fermin AS, Yoshida T, Yoshimoto J, Ito M, Tanaka SC, Doya K (2016). Model-based action planning involves cortico-cerebellar and basal ganglia networks. Scientific Reports, 6, 31378.
    • Funamizu A, Kuhn B, Doya K (2016). Neural substrate of dynamic Bayesian inference in the cerebral cortex. Nature Neuroscience, 19, 1682-1689.
    • Ito M, Doya K (2015). Distinct neural representation in the dorsolateral, dorsomedial, and ventral parts of the striatum during fixed- and free-choice tasks. Journal of Neuroscience, 35, 3499-3514.
    • Elfwing S, Doya K (2014). Emergence of polymorphic mating strategies in robot colonies. PLoS One, 9(4), e93622
    • Samejima K, Ueda K, Doya K, Kimura M (2005). Representation of action-specific reward values in the striatum. Science, 301, 1337-1340.
    • Doya K (2002). Metalearning and neuromodulation. Neural Networks, 15, 495-506.
    • Doya K (1999). What are the computations of the cerebellum, the basal ganglia, and the cerebral cortex. Neural Networks, 12, 961-974.

開催概要

講義内容

今日の人工知能は、パターン認識やゲームなど特定の課題では人間を超える性能を実現していますが、総合的に見ると人間や脳には遠く及ばない面がいくつもあります。特徴的なのは、1) 約20ワットと言われる低エネルギー消費で高度な知能を実現していること。2) 少ない数の経験/データから効率よく学習ができること。3) 自らの欲求と関心に応じて社会の中で自律的に行動できること、です。

 これらを実現している脳のしくみは、すぐに人工知能に応用できるような形でわかっているわけではありません。しかし動物の行動学習や人間の知能発達のしくみが本当に理解できれば、それを人工知能として実装することは十分可能なはずです。逆に言えば、脳から類推した仕組みで設計した人工知能が人間と同じような行動や知能を獲得することができれば、私たちは脳の仕組みを本当に理解したと言えるでしょう。

 この講演では、このような脳や知能のしくみの解明と、その人工知能としての実現を同時並行的にめざす研究を紹介したいと思います。その中から、皆さんもこういう研究や探索をしてみたいと思うようなきっかけが見つかることを期待しています。

日時
2020年12月1日(火)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※銅谷先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。


タイトル「脳型知能とその工学応用について」

講師紹介

我妻 広明(わがつま ひろあき)先生

  • 我妻先生 写真
    【現職】
    • 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 准教授
    【経歴】
    • 1986年 - 1990年 NEC米沢日本電気株式会社 (NEC日本電気府中事業場出向PC-9801note開発)
    • 2000年4月 - 2003年3月 独立行政法人理化学研究所 基礎科学特別研究員
    • 2003年4月 - 2009年9月 独立行政法人理化学研究所 BSI創発知能ダイナミクス研究チーム 研究員
    • 2007年4月 - 2009年9月 理研BSI-トヨタ連携センター 研究員
    • 2009年10月 - 2012年3月 独立行政法人理化学研究所 BSI創発知能ダイナミクス研究チーム 客員研究員
    • 2009年10月 - 現在 国立大学法人 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 准教授
    • 2012年1月 - 現在 国立研究開発法人 理化学研究所 BSI 神経基盤情報センター 客員研究員
    • 2016年3月 - 2020年3月 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 Artificial Intelligence Research Center (AIRC) クロスアポイントフェロー
  • 【研究概要】

    脳神経科学の知見や生物から学ぶ力学系記述を用いた脳型ロボットの研究を行っています。脳を複雑系として捉え、時間発展と情報生成装置としての原理記述について注目しています。身体性や構成論的アプローチを通して、非線形力学・振動同期現象の数理記述の可能性を探求し、「人」の主体性や社会性を、単なる要素分解や機械論に還元しない新たな科学の枠組みを脳科学に期待しています。

  • 【主な業績】
    【書籍】
    • Dimitrova, M., Wagatsuma, H. (2019): Cyber-Physical Systems for Social Applications, IGI Global.
    • 我妻広明(2017): 脳・身体知から自動運転まで(6章), 鳥海 不二夫 編「強いAI・弱いAI 研究者に聞く人工知能の実像」丸善出版.
    • Krichmar J, Wagatsuma H. (2011): Neuromorphic and Brain-Based Robot, Cambridge University Press. 他.
    【代表的な論文】
    • Maniamma, J., Wagatsuma, H. (2020): A Semantic Web-based Representation of Human-logical Inference for Solving Bongard Problems, Journal of Universal Computer Science, Special Issue on New Trends in Logic Reasoning Approaches for Rational Decision Making, in press.
    • Singh, B., Wagatsuma, H. (2018): Two-Stage Wavelet Shrinkage and EEG-EOG Signal Contamination Model to Realize Quantitative Validations for the Artifact Removal from Multiresource Biosignals, Biomedical Signal Processing and Control, Vol. 47, pp. 96-114.
    • Komoda, K., Wagatsuma, H. (2017): Energy-Efficacy Comparisons and Multibody Dynamics Analyses of Legged Robots with Different Closed-loop Mechanisms, Multibody System Dynamics, Vol. 7, No. 3, pp. 657-664.
    • Ai, G., Sato, N., Singh, B., Wagatsuma, H. (2016): Direction and Viewing Area-Sensitive Influence of EOG Artifacts Revealed in the EEG Topographic Pattern Analysis, Cognitive Neurodynamics, Vol. 10, No. 4, pp.301-314, 他
    【代表的な外部予算】
      内閣府・経産省所管:
    • オントロジー推論のリアルタイム処理を実現する組み込み技術の実現と安全・安心分野への応用,NEDO「次世代人工知能技術社会実装」受託研究,代表
    • 平成30年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業(自動走行システムの安全性評価技術構築に向けた研究開発プロジェクト)」  (経産省) 分担 
    • データ駆動型人工知能と論理知識型 人工知能の融合による解釈可能な自動運転システムに関する研究,NEDO 「次世代ロボット中核技術開発」(次世代人工知能フレームワーク研究・先進中核モジュール研究開発),分担(H27〜H30)、他
    • 文科省所管: i) 科研費
    • 脳-身体-環境における動的関係性を扱う情報の時空間階層性:ロボット設計原理の検討,新学術領域研究「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」公募班,代表 (H28〜29)
    • 科研新学術領域研究「共創言語進化」計画班「言語の起源・進化の構成的理解」,分担、他
    • ii) JST(産学連携関連)
    • CFRP弾性材の縫い込みを可能にする腰部負担軽減着衣とセミオーダー式フィッティング法の開発,受託研究,JST H29地域産学バリュープログラム,研究責任者 (H29〜30)、他
    • 国際研究ファンド:
    • ニューロインフォマティクス国際連携(INCF Seed Funding 2017)、他

開催概要

講義内容

サイエンスにおいては、機械に感情を保有させる議論がある。人のような感情は「寿命」「進化」が必要と指摘もあるが、問題はその先である。「作込みの感情でない、内在し、中から生まれ出る」という主張は一理あるが、「偶然生物に感情の回路が備わったとして、なぜ淘汰されなかったか」に踏み込む必要がある。つまり、個を超えた、社会における感情の必要性である。自分の「痛み」は、相手の「痛み」になるか? 集団、社会、状況における「悲しみ」を理解、共感できるか。我々は物理的な痛みだけでなく、心の悲しみを持つ。だから、相手がこんなことをして欲しくない、これはとても危険なことである、こんなことはあって欲しくないという状況の認識ができる。これらの観点から機械(AI)と生物の痛み、そしてその先の倫理に言及する。シャノンの情報理論における「情報の量」の議論を超えた、生き物にとっての「情報の『質』」を扱う段階に来ている。

エンジニアリングにおいては、社会に持続的なイノベーションを作り出す仕組みづくりとして、インダストリー4.0が議論され、情報技術と製造技術の統合を行うことで、製造業の生産性を高める方策が進められている。ことに少量多品種生産、自動機械と人間の協働による生産工程の課題においては、現場における効果的なデータ蓄積とその分析のためのデータ構造や基盤が必要となる。従来は人手でやっていたデータサイクルを自動化しつつも、熟練技術者の気づき、ヒヤリ・ハットなど問題発生を未然に防ぐ方法論の導入が必要不可欠となっている。本講演では、熟練者の熟練者の気づき、脳型知能とその工学応用に注目しつつ、AI技術の現状と展望について議論する。

日時
2020年12月1日(火)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※我妻先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
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タイトル「学習理論から迫る脳の意思決定と情動」

講師紹介

吉本 潤一郎(よしもと じゅんいちろう)先生

  • 吉本先生 写真
    【現職】
    • 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科情報科学領域 准教授
    • 国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所 客員主幹研究員
    【経歴】
    • 2002年10月 - 2004年3月 科学技術振興機構 CREST銅谷プロジェクト 研究員
    • 2004年4月 - 2005年8月 科学技術振興機構 沖縄新大学院大学先行研究事業 研究員
    • 2005年9月 - 2010年3月 沖縄科学技術研究基盤整備機構 神経計算ユニット 研究員
    • 2010年4月 - 2011年10月 沖縄科学技術研究基盤整備機構 神経計算ユニット グループリーダー
    • 2011年11月 - 2015年7月 沖縄科学技術大学院大学学園 神経計算ユニット グループリーダー
    • 2015年8月 - 2018年3月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授
    • 2015年8月 - 2019年3月 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 客員研究員
    • 2018年4月 - 現在 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科情報科学領域 准教授
    • 2018年12月 - 現在 ATR脳情報通信総合研究所 計算脳イメージング研究室 客員主幹研究員
  • 【研究概要】

    ベイズ推定や強化学習を中心とした機械学習法の開発とその生命科学データ解析への応用に関する研究

  • 【主な業績】
    • Nakano, T., Takamura, M., Ichikawa, N., Okada, G., Okamoto, Y., Yamada, M., … Yoshimoto, J. (2020). Enhancing Multi-Center Generalization of Machine Learning-Based Depression Diagnosis From Resting-State fMRI. Frontiers in Psychiatry, 11(May), 1–10.
    • Tokuda, T., Yoshimoto, J., Shimizu, Y., Okada, G., Takamura, M., Okamoto, Y., … Doya, K. (2018). Identification of depression subtypes and relevant brain regions using a data-driven approach. Scientific Reports, 8(1), 14082.
    • Nagai, T., Yoshimoto, J., Kannon, T., Kuroda, K., & Kaibuchi, K. (2016). Phosphorylation Signals in Striatal Medium Spiny Neurons. Trends in Pharmacological Sciences, 37(10), 858–871.
    • Yoshimoto, J., Sato, M.-A., & Ishii, S. (2011). Bayesian Normalized Gaussian Network and Hierarchical Model Selection Method. Intelligent Automation & Soft Computing, 17(1), 71–94.
    • Yoshimoto, J., Nishimura, M., Tokita, Y., & Ishii, S. (2005). Acrobot control by learning the switching of multiple controllers. Artificial Life and Robotics, 9(2), 67–71.
    • Hirayama, J., Yoshimoto, J., & Ishii, S. (2004). Bayesian representation learning in the cortex regulated by acetylcholine. Neural Networks, 17(10), 1391–1400.

開催概要

講義内容
過去の経験に基づき、将来を予測し、意思決定に役立てる能力を「学習」といいます。我々人間の脳は、意識することなく簡単に実現してしまっている学習ですが、どのような仕組みでそれが実現されているのでしょうか?本講義では、機械学習の理論やアルゴリズムを活用して、脳の学習・意思決定・情動の仕組みを理解しようとする試みをご紹介します。
日時
2020年12月1日(火)13:00~17:50(12:40より受付開始)
※吉本先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
NTTデータ経営研究所(永田町)

JA共済ビルのエントランスフロアにて受付をお済ませいただいた後、左側のエレベーターにて9階までお越しください。
9階エレベーターホールの案内板が設置されている側の扉からお入りいただき右手突き当りまでお進みください。突き当り扉奥に応用脳科学アカデミー受付がございます。

お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

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