一般社団法人応用脳科学コンソーシアム 役員のご紹介
<理事>
岩本 敏男
IT未来研究所合同会社 CEO(代表理事・理事長)
浦野 大
株式会社NTTデータ経営研究所 代表取締役 常務
尾上 孝雄
国立大学法人大阪大学 理事・副学長 研究、情報推進担当
張 士洛
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 代表取締役社長
萩原 一平
一般社団法人応用脳科学コンソーシアム 事務局長
星野 邦秀
国立大学法人筑波大学 国際産学連携本部 教授
務中 達也
株式会社島津製作所 基盤技術研究所 脳五感ユニット長
村上 陸太
株式会社竹中工務店 顧問・エグゼクティブフェロー
柳田 敏雄
国立大学法人大阪大学 名誉教授
国立研究開発法人情報通信研究機構 フェロー(代表理事・会長)
吉田 勝尚
株式会社レゾナック 計算情報科学研究センター長
吉田 英嗣
株式会社NTTデータ グループ経営企画統括本部コーポレート戦略本部長 兼 グループ経営企画統括本部コンサルティング&ビジネスアクセラレーション本部長
<監事>
成田 正人
株式会社NTTデータ アイ 取締役 執行役員
<代表理事 ご挨拶>

柳田 敏雄
CAN代表理事・会長
国立研究開発法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター フェロー
国立大学法人大阪大学 名誉教授
近年、デジタル技術、通信技術は飛躍的な進歩を遂げています。将来のCOVID-19のような災害に備え、物理的制約のないサイバー世界が期待されていますが、それも実現しそうな勢いです。
しかし、これらの技術には深刻な二つの課題があります。処理しきれない情報量の急激な増大と処理すべき必要な情報の消失です。情報量だけを追求しリアルなコミュニケーション等で交換されている情報の質への対応が遅れている今の技術は脳に大きな負担をかけることになりかねません。脳が本当に知りたい情報は何か、脳が本当に知らせたい情報は何か、情報の量とともに質を問う時が来ています。
そのためにはヒトの脳を知ることが必要ですが、神経細胞レベルの詳細な研究が困難なヒトの脳ではそれはとても難しいことでした。しかし、近年AIやデータサイエンスが進化し、詳細なメカニズムが未解明でもデータ駆動型アプローチでシステムとしての脳をモデル化し問題を可決できる可能性が出てきました。
すでに、応用脳科学コンソーシアム(CAN)と共同研究を行っている脳情報通信融合研究センターでは、機能的MRIで計測した脳活動データをもとに、知覚内容だけではなく、認知内容を読み解くレベルにまで研究が進んでいます。さらに、こころ、情動、運動、学習など様々な脳機能に関する脳情報の解読について精力的な研究開発が行われています。
このように、多種多様な身体内外の環境変化に関する情報を脳がどのように捉えどのように外界に働きかけるのかを、脳活動から解析し予測することが可能になってきているのです。この研究は、脳に負担にならず脳が望む心地良い情報とは何かを知ることにつながるものです。質が良く価値の高い情報をやり取りする世界は、脳に優しいものになるに違いありません。
また、情報の量から質への転換を図ることによって、不必要な情報流通量の増加を抑え、ITにより生じる深刻な消費電力問題の解決にも寄与するでしょう。
脳が喜ぶ情報とは何かを知ることは、モノづくりや情報ビジネスに変革をもたらし、明るい人間中心の未来社会を創ることにつながります。このような取組みは、一企業、一業種、一研究機関、一省庁が単独で行なうことはできません。産業界、学界、そして国が力を合わせてオールジャパンで、脳情報研究開発、そしてその成果の社会応用において世界をリードするイノベーションを起こしましょう。

岩本敏男
CAN代表理事・理事長
IT未来研究所合同会社 CEO
応用脳科学コンソーシアム(CAN)は2010年に任意団体として誕生しました。デジタル・トランスフォーメーション(DX)が加速している現在、脳科学研究とAI開発を融合してその成果を実際のビジネスに応用する取り組みをより強化するため、2020年に一般社団法人として生まれ変わりました。CANは研究開発、人材育成、人材交流、および社会啓発を進めることによって、脳科学の産学連携と、オープンイノベーションの創出を目的としています。
世界は今、COVID-19の脅威に慄き、その対応を追われていますが、テレワークやオンライン授業、オンライン診療、食料の宅配など、デジタル技術の重要性が改めて再認識されています。デジタル技術にはAIやIoTなどが含まれますが、特にAIは人間の脳の働きを代替する機能を有しており、社会のあり方を大きく変えてしまう可能性も秘めています。従って「人体最後のフロンティア」ともいわれる脳に係わる研究、つまり脳科学の重要性も一段と増しているのです。
わが国の脳科学は産業界・学界のそれぞれで研究開発が進んでおり、一定のプレゼンスを有しています。しかし、諸外国に目を向けると研究開発の成果を社会実装すべく、産業界での脳科学の応用が実用段階に入りつつある事例が増えてきています。わが国においても産学が密に連携し、脳科学と関連諸領域を融合した「応用脳科学」を端緒としたイノベーションを巻き起こしていくことが必要です。
しかし、脳科学は最先端の分野であるがゆえに、産業での活用には課題が山積していることも事実です。例えば、脳科学が関連する学際分野は非常に多岐に渡り、1個人、1企業だけでは全領域をカバーすることは困難です。また、脳科学に対する研究開発に関わる人材育成については課題も指摘されています。
さらに、最先端技術にはつきものではありますが、いわゆるELSI(Ethical, Legal and Social Implications)の配慮についても社会的なコンセンサスは形成の発展途上にあります。
産業界・学界で脳科学に携わっておられる皆様、CAN会員、そしてCANの活動に関心をお寄せいただいているすべての方々におかれては、今後とも厚いご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。