1. HOME
  2. お知らせ
  3. 2025CANキックオフシンポジウムのご案内と神経オルガノイド解説第一回 「試験管の中の脳?神経オルガノイドの基礎と可能性」

NEWS

お知らせ

2025CANキックオフシンポジウムのご案内と神経オルガノイド解説第一回 「試験管の中の脳?神経オルガノイドの基礎と可能性」

5月20日(火)に開催されるCAN2025キックオフシンポジウムのテーマは「対立?融合? 神経オルガノイド vs 計算論的神経科学~AI全盛時代に拓くWetとDryの融合から生まれる新たなサイエンスの未来~」です。

CAN2025 キックオフシンポジウム開催のご案内

「神経オルガノイド」という言葉をご存じでしょうか?詳細は後述しますが、神経オルガノイドには、計算論的神経科学と融合しながら革新的な科学技術の扉を開く可能性が秘められています。
シンポジウム開催に先立ち、4回シリーズで「神経オルガノイド」の基礎から最先端応用までを解説し、計算論的神経科学との革新的な交点を探ります!

第一回:「試験管の中の脳?神経オルガノイドの基礎と可能性」

 まず「オルガノイド(organoid)」とは、organ(臓器)と-oid(~のようなもの; HumanoidやAndroidなどと同じ接尾辞です)から成る言葉で、「臓器のようなもの」を意味します。
具体的には、幹細胞(自己複製能や分化能を持つ細胞; 胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)は耳にしたことがあるかと思います)から作られる3次元の細胞構造体で、培養条件によって様々な臓器に分化し、実際の臓器の構造や機能を部分的に再現したものです。「神経オルガノイド」はその中でも脳・神経組織を模倣した、神経細胞からなる3次元構造体を指します。培養過程で数mmから1cm程度の大きさに成長し、実際の脳と同様に神経細胞が自己組織化して神経回路網を形成します。

 特筆すべきは、ヒト由来の細胞から作ることができるため、動物実験では解明困難なヒト固有の脳機能や疾患メカニズムの研究が可能になる点です。法的・倫理的制約もあり直接研究することが難しいヒト脳の謎に迫ることが可能になると考えられています。さらに、計算論的神経科学と融合しAI分野のパラダイムシフトを引き起こす可能性も秘めています。

 次回は神経オルガノイド研究の現状について、論文数や特許数の推移から見ていきます。第3回では医療・創薬応用、そして最終回では最も注目すべきAIとの融合可能性について探ります。

5月20日(火)開催のキックオフシンポジウムでは、世界的に注目されている神経オルガノイド分野と計算論的神経科学分野を牽引する先生方が一堂に会し基調講演およびパネル討論を頂きます。
シンポジウムの参加費は無料です(懇親会のご参加は4,000円)。是非下記二次元コードまたはURLリンクからお申し込みください。

  https://forms.office.com/r/rYqq63BCnb

脳科学の新たな地平線、ぜひ一緒に覗いてみましょう!

最新記事