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お知らせ

【事務局長のつぶやき】ダイバーシティ&エクイティ、インクルージョン

先日の応用脳科学アカデミーアドバンスコース2「脳を育む」では、「DE&I」、「障がい」をテーマに広島大の前田先生、東大の熊谷先生、レゾナックの鈴木様の3人にご登壇頂きました。このテーマでの講義は今回で3回目です。

当日のシラバスはこちら⇒https://www.can-neuro.org/2023_advance_syllabus/#a2_4

 

前田先生から「障がい者と接する際のラポール形成」というタイトルで、触覚の基礎についてご講義頂きました。前田先生は理学療法士でいらっしゃり、リハビリの現場において、どのように障がい者と接したらいいか、ご自身の経験を踏まえ、お話を頂きました。障がいを経験するために、例えば、目をつぶって歩いてみる、片手ですべての作業をやってみる、など経験してみるだけでも、その大変さは理解できますよね、とのことで早速試してみましたが、その大変さは想像以上でした。それで理解できたとは全く思っていませんが、自分がそういう状態にずっとなっていたらどうなんだろうと考えると、一人ひとり異なる障がい者とのコミュニケーションってどうしたらいいのかと考えてしまいました。しかし、共通点を見つける、共通の目的を持つということができれば、しっかりとコミュニケーションが取れるのかなと感じました。

前田慶明先生の講義概要はこちら⇒https://www.can-neuro.org/2023/a2_4_1_lecturer/

 

熊谷先生は「当事者研究から学ぶインクルージョン」についてお話頂きました。熊谷先生はご自身が脳性まひという障がいをお持ちですが、小児科医のお仕事をされながら、障がい者当事者として障がいに関する研究をされています。幼少期からのご自身の経験、お医者さんとして患者さんと接する際のご苦労等を踏まえてのお話はたいへん説得力がありました。「障がいがない研修医が失敗した場合は未熟だから失敗したとなるが、障がいがある研修医が失敗した場合は障がいがあるから失敗したとなる。」これにはハッとしました。スティグマが普通に起こりうるということを気付かせてくれるお話でした。さらに、「ご自身を医者として育ててくれた二人のリーダー」のお話は私たちビジネスマンとして、リーダーを務めるときにはもっておくべき示唆がありました。一人のリーダーは誰でも失敗はあるとチャレンジさせてくれた。もう一人のリーダ-は教科書通りで決めたやり方で出来ないことも、別の方法を考えれば出来る、問題を解決できるということを教えてくれたとのことでした。そして、ついに熊谷先生は、患者が決めたいい病院ランキングでGood Doctor第1位として紹介されるところまでになったとのことでした!すごい!
話はそこから信頼性の高い組織(HRO:High Reliability Organization)、リーダーシップ、そして心理的安全性、ここは障がい者云々は関係なく、本当に企業経営者、人事育成部門の方に聞いて頂きたかったです。CAN会員の皆さんはぜひ経営企画、人事育成部門の方へのオンデマンド受講をお薦めください!

熊谷晋一郎先生の講義概要はこちら⇒https://www.can-neuro.org/2023/a2_4_2_lecturer/

 

最後の鈴木様のお話は「オンリーワンの個性を、チカラに変える。」で、株式会社レゾナックでの障がい者インクルージョンの取組みについて、歴史を紐どきながら説明頂きました。同社は世界のトップ経営者、有識者が集うダボス会議が創設したThe Valuable 500に参加しています。世界のトップリーダー(CEO)500名が自社のインクルージョンに向けた取組みを通してインクルーシブな社会を創ることをコミットしています。障がいは一つの個性、個性を活かした仕事をサポートするという活動に地道に取り組んでいらっしゃり、今も自走できるチームを目指して前に進めていらっしゃいます。小さな取組みから大きな組織を巻き込んで組織全体を変えていく鈴木さんのお取組みは学ぶところが多いものでした。

鈴木秀明先生の講義概要はこちら⇒https://www.can-neuro.org/2023/a2_4_3_lecturer/

 

さらにラップアップミーティングでは、インクルージョンを実現するための組織、経営的考え方、技術の使い方等々、たいへん示唆に富んだお話を伺うことができました。ここで、障がい者雇用を単なる法的義務と考えてずっとコストとして捉えるのか、コストを少しでも回収する、何らかの便益を出すことができるように取り組むのか、後者で取組むのが肝要であるとの鈴木様のお話、それについて、熊谷先生が余裕のないギリギリの状態では組織文化による統制が重要で、そういう厳しさを持って物事を考える組織が強いというお話がありました。それは障がい者、健常者関係なく、一人ひとり組織の構成メンバーを個として捉えてどうすれば目的が合意でき、目的を達成できるかを考え、行動できる組織であり、言われれは当たり前かもしれませんが、どうやってそういう組織を作るか、考えるいい機会でした。

CAN会員の方で受講できなかった方は、ラップアップミーティングを除き、後日オンデマンドで視聴できますので、ぜひ視聴ください!

2023年度 アドバンスコース シラバス

 

 

 

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