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応用脳科学アカデミー

2022年度

基本味覚に関連した脳活動情報の解読技術:近添 淳一(株式会社アラヤ 脳事業研究開発室チームリーダー)

味覚は生物にとって、生死に直結する重要な感覚です。例えば、甘味の知覚は高カロリーな物質を探りあてるため、苦味の知覚は毒性を持つ物質を探り当てるために発達してきました。自然界には、植物性アルカロイドをはじめ、様々な毒物が偏在しており、我々の祖先は、これを見極めることで、生存する確率を上げてきた、と考えられています。また、味覚は様々な生物で共有される機能であり、多くの種が摂食行動に関する判断の大部分を味覚に頼っています。このように、味覚は、視覚や聴覚のような感覚と並んで、非常に基礎的かつ重要な感覚でありますが、意外にも、味覚の脳内情報処理に関しては、まだ多くの事柄が未解明のままになっています。本講演では、ヒトの機能的MRI研究を中心に、味覚の脳内情報処理に関する最新の知見と、それらの発見を可能にする技術についてお話します。

講師

近添 淳一 先生
株式会社アラヤ 脳事業研究開発室チームリーダー

日時

2022年9月2日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※近添先生の講義は、13:00~14:10です。

場所

NTTデータ経営研究所 9階 セミナールーム

入館方法

JA共済ビルのエントランスフロアで受付を済ませてから、左側のエレベーターにて9階までお越しください。応用脳科学アカデミーの案内看板が掲示されています。
そちら側よりご入室いただきますと、右側奥に応用脳科学アカデミー受付(臨時設置)がございます。

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、 「各種お問い合わせフォーム」 より、お問い合わせください。

講師紹介

近添 淳一(ちかぞえ じゅんいち)先生

現職

  • 株式会社アラヤ 脳事業研究開発室チームリーダー

経歴

東京大学医学部卒、同大学院修了、医学博士。 同大学リサーチフェロー、特任助教、助教、特任講師、
トロント大学博士研究員、コーネル大学博士研究員を経て
2016年4月から生理学研究所・生体機能情報解析室・准教授。
2021年4月から、(株)アラヤ・脳事業研究開発室・チームリーダー。
また、2021年10月より、学術変革領域研究(B)「情動情報解読による人文系学問の再構築」領域代表を務める。

研究概要

  • ヒト味覚の神経基盤研究
  • 深層学習と機能的MRIの融合
  • 情動の貨幣的性質の解明
  • 精神疾患群と健常群を分類するバイオマーカーの開発

主な業績

  • Yoshimoto T, Okazaki S, Sumiya M, Takahashi HK, Nakagawa E, Koike T,… *Chikazoe J. Coexistence of sensory qualities and value representations in human orbitofrontal cortex. Neuroscience Research. 2022;
  • Pham TQ, Yoshimoto T, Niwa H, Takahashi HK, Uchiyama R, Matsui T,… *Chikazoe J. Vision-to-value transformations in artificial neural networks and human brain. Biorxiv. 2021;
  • Pham TQ, Nishiyama S, Sadato N, *Chikazoe J. Distillation of Regional Activity Reveals Hidden Content of Neural Information in Visual Processing. Frontiers in human neuroscience. 2021;727.
  • *Chikazoe J, Lee DH, Kriegeskorte N, *Anderson AK. Distinct representations of basic taste qualities in human gustatory cortex. Nat Commun. 2019 Mar 5;10(1):1–8.
  • *Chikazoe J, Lee DH, Kriegeskorte N, *Anderson AK. Population coding of affect across stimuli, modalities and individuals. Nature Neuroscience. 2014 Aug;17(8):1114–22.
  • *Chikazoe J. Localizing performance of go/no-go tasks to prefrontal cortical subregions: Current Opinion in Psychiatry. 2010 May;23(3):267–72.
  • *Chikazoe J, Jimura K, Hirose S, Yamashita K -i., Miyashita Y, Konishi S. Preparation to Inhibit a Response Complements Response Inhibition during Performance of a Stop-Signal Task. Journal of Neuroscience. 2009 Dec 16;29(50):15870–7.
  • *Chikazoe J, Jimura K, Asari T, Yamashita K -i., Morimoto H, Hirose S, et al. Functional Dissociation in Right Inferior Frontal Cortex during Performance of Go/No-Go Task. Cerebral Cortex. 2009 Jan 1;19(1):146–52.

             

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