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応用脳科学アカデミー

2021年度

2019 CAN10周年 キックオフシンポジウム: 脳科学の産業応用、これまでの10年の歩みとこれからの10年 開催レポート

2019年7月11日、虎ノ門ヒルズフォーラムにおいて開催された、「2019年度 応用脳科学コンソーシアム(CAN)10周年キックオフシンポジウム ~脳科学の産業応用、これまでの10年の歩みとこれからの10年~」は大盛況のまま無事終了いたしました。一般公開の本シンポジウムでは、遠方からも多くの方にご来場頂き、シンポジウム終了後の意見交換会も含め、200名以上の方にご参加頂き、企業における脳科学の活用における関心の高さを伺うことができました。

第1部では、CAN事務局のコンサルタントよりR&D研究会、ワークショップ詳細等、2019年度CAN活動方針について説明いたしました。第1部の総評として、日本神経科学学会サイエンティフィックアドバイザー / 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第七部 部長の本田学先生にご登壇頂きました。

第2部の基調講演では、はじめに「脳科学とAIによって生み出される新たな産業応用」と題して、三菱電機株式会社 開発本部 技術統括 / JST 未来社会創造事業「世界一の安全・安心社会の実現」領域運営統括 田中健一様にご登壇頂き、前半ではニューラルネットワークモデルの基礎的な知見から、脳における情報処理を工学的に応用した事例についてお話し頂き、後半では未来社会創造事業「香りの機能拡張によるヒューメインな社会の実現」について、現状の課題とともに脳モデルの構築による技術的ブレイクスルーの可能性についてお話し頂きました。

次に「行動経済学が明らかにするヒトの非合理的投資行動―AIを用いた資産運用への含意」と題して、関西学院大学大学院経営戦略研究科 教授 / 株式会社Magne-Max Capital Management CEO/CIO / 行動経済学会会長 岡田克彦先生にご登壇頂き、前半では市場心理や気質効果など行動経済学の知見に基づいた複数の事例を挙げて頂きながらヒトの持つバイアスによる非合理的投資行動が資産形成に与える影響についてお話し頂き、後半では金融業界における有効なAI活用のアプローチ方法についてお話し頂きました。

最後に「脳科学の産業応用、これまでの10年の歩みとこれからの10年」と題して、株式会社NTTデータ経営研究所 エグゼクティブ・オフィサー / 応用脳科学コンソーシアム 事務局長 萩原一平より、CANのこれまでの歩みについて、また脳科学にまつわる世界の潮流とグローバル企業の取り組みや脳科学とAIの融合事例についてご紹介し、最後にCANが今後の10年で目指す取り組みについてお話しいたしました。

スペシャルディスカッションでは、基調講演にご登壇頂いた田中様および岡田先生にパネラーとしてご参加頂き、①ヒトを知ること・脳を知ることの社会的・経済的価値、②脳科学とAIの関係、③脳の理解とAIの活用がビジネスにもたらす影響 の3つのテーマについて多角的なご意見を頂きました。

ホワイエで開催された意見交換会では、田中様、岡田先生、また応用脳科学アカデミーで講義をご担当頂いている先生方をはじめ、多くの企業の皆様にご参加頂き、活発な情報交換が行われ、盛況のうちに終了となりました。

ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

開催日時

2019/07/11(木)13:30~17:45(意見交換会17:50~19:30)

開催場所

虎ノ門ヒルズフォーラム ホールB
(港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー 4階 )

プログラム

タイムテーブルプログラム
13:30~14:50開会の挨拶
2019年度のCAN活動方針説明
CAN全体概要、R&D研究会・ワークショップ概要、アカデミー実施概要、会員種別等
14:50~15:00総評
本田 学 先生
(日本神経科学学会 / 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
15:00~15:10(休憩)
15:10~15:50基調講演1 「脳科学とAIによって生み出される新たな産業応用」
田中 健一 様
(三菱電機株式会社/JST 未来社会創造事業)
15:50~16:30基調講演2 「行動経済学が明らかにするヒトの非合理的投資行動―AIを用いた資産運用への含意」
岡田 克彦 先生
(関西学院大学大学院/株式会社Magne-Max Capital Management/行動経済学会)
16:30~17:10基調講演3 「脳科学の産業応用、これまでの10年の歩みとこれからの10年」
萩原 一平
(株式会社NTTデータ経営研究所/CAN事務局長)
17:10~17:40スペシャルディスカッション
「ヒトを知ること、脳を知ることの価値とこれからの人工知能(AI)の活用について」
パネリスト:田中様、岡田先生、司会:萩原
17:40~17:45閉会の挨拶
17:50~19:30意見交換会

講演者プロフィール

田中 健一 様

三菱電機株式会社 開発本部 技術統轄
JST未来社会創造事業 「世界一の安全・安心社会の実現」領域 運営統括

主なご業績・受賞歴
  • 「運ぶ」から「組み立て」へ。これまで製品・部品の搬送作業を主に行ってきた産業用ロボットの新たな応用分野として、部品を組み合わせて製品を作る自律型セル生産ロボットシステムを開発し、製品化(2012)。計測自動制御学会論文賞(2018)、第47回市村産業賞貢献賞(2015)、R&D100 Awards(2014)、第5回ロボット大賞日本機械工業連合会会長賞(2012)、第4回モノづくり連携大賞特別賞(2009)他を受賞。
  • 人間の目のように画像を高速かつ柔軟に処理できるオンチップ画像処理機能を搭載した人工網膜LSI(CMOSイメージセンサー)を開発し事業化(1998)。携帯電話/PDA、ゲーム機、ホームセキュリティ、指紋認証、駐車場監視システムなど多くの製品で採用。日本神経回路学会研究賞(1999)、映像情報メディア学会技術振興賞(1998)を受賞。

岡田 克彦 先生

関西学院大学大学院経営戦略研究科 教授
株式会社Magne-Max Capital Management CEO/CIO
行動経済学会会長

主なご業績・受賞歴
  • “Is No News Good News?: The Streaming News Effect on Investor Behavior surrounding Analyst Stock Revision Announcement,” with Takahiro Azuma and Yukinobu Hamuro, International Review of Finance Vol.14 (1), pp29-51. 2014.
  • “Return predictability in News: Naïve Bayes-based investment model using Bloomberg News,” with Hiroki Maegawa, Takanobu Nakahara, and Yukinobu Hamuro, JSAI-SIG-FIN, pp.7-13, 2013 (SIG-FIN Best Paper Award)
  • “The Calendar Structure of the Japanese Stock Market:, The ‘Sell in May Effect’ versus the ‘Dekansho-bushi Effect’,” with Shigeki Sakakibara and Takashi Yamasaki, International Review of Finance, Vol. 13,2, pp.161-185. 2013
  • 注意力の限界と Post-Earnings-Announcement-Drift」 (共著) 証券アナリストジャーナル, Vol.52,
    (11) pp.72-82. 2014 年 11 月 (アナリストジャーナル賞受賞)
  • 「Yahoo JapanのビッグデータとAIで考える21世紀の投資戦略」講談社 2018年 4月
  • 「人工知能学大辞典」共立出版 2017年 5月
  • 「ビッグデータで株価を読む」中央経済社 2014年1月
会場内の様子
本田先生によるご総評
田中様によるご講演
岡田先生によるご講演
萩原による講演
スペシャルディスカッション
             

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