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応用脳科学アカデミー

2023年度

ポジティブサイコロジーの脳科学:髙橋 英彦(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 精神行動医科学 主任教授)

 精神医学に関連する心理学的研究は疾患の負の側面に焦点を当て、それを是正するような治療アプローチが中心であった。著者自身も、感情や情動といったテーマの認知神経科学的研究を行ってきたが、どちらかと言えば、ネガティブな感情を扱ったものが中心であった。
 しかし、一旦、疾患を発病してしまうと回復するには相当な時間も含めたコストがかかり、それを未然に防ぐことが何より大切であること、再発例や難治例が少なくないことから、病気を予防や長期化を防ぐのには、ポジティブサイコロジーが重要と考え、近年はこの分野の研究を進めてきた。ポジティブサイコロジーの扱うテーマは多岐にわたるが、その神経科学的な研究はまだ少ない。
 講義では、自己に関する偏ったポジティブあるいは肯定的な評価・認知であるpositive illusionに関する神経科学的研究とポジティブサイコロジーの中でも重要なテーマである自己効力感を精神医学に応用した脳画像研究を自験例を中心に紹介する。

講師

髙橋 英彦 先生
東京医科歯科大学大学院 
医歯学総合研究科 精神行動医科学 主任教授

日時

2023年09月15日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)第1部 13:00~14:10
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン(Zoom)

お問い合せ先

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講師紹介

髙橋 英彦(たかはし ひでひこ)先生

現職

東京医科歯科大学大学院
医歯学総合研究科 精神行動医科学 主任教授

経歴

1997年 東京医科歯科大学医学部医学科卒
1997年 東京医科歯科大学医学部附属病院 研修医
1998年 東芝林間病院 精神神経科 医師
1999年 浅井病院 精神科 医師
2005年 University of Melbourne, Centre for International Mental Health, Visiting Fellow
2005年 放射線医学総合研究所 博士研究員
2006年 放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 主任研究員
2008年 科学技術振興機構 さきがけ(脳情報の解読と制御)研究員
2008年 California Institute of Technology, Division of Biology Visiting Associate
2010年 京都大学大学院 医学研究科 脳病態生理学 精神医学教室 講師
2011年―2019年 同 准教授
2019年-現在 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 精神行動医科学 主任教授

研究概要

健常者および精神神経疾患患者における意思決定、社会性の(障害の)神経基盤の研究

主な業績

  • Tei S, Kauppi JP, Jankowski KF, Fujino J, Monti RP, Tohka J, Abe N, Murai T, Hari, R, Takahashi H. Brain and behavioral alterations in subjects with social anxiety dominated by empathic embarrassment.Proc Natl Acad Sci U S A. 2020;117(8):4385-4391
  • Fujino J, Fujimoto S, Kodaka F, Camerer C, Kawada R, Tsurumi K, Tei S, Isobe M, Miyata J, Sugihara G, Yamada M, Fukuyama H, Murai T, Takahashi H. Neural mechanisms and personality correlates of the sunk cost effect.Sci Rep (2016) 6, 33171
  • Takahashi H, Fujie S, Camerer C, Arakawa R, Takano H, Kodaka F, Matsui H, Ideno T, Okubo S, Takemura K, Yamada M, Eguchi Y, Murai T, Okubo Y, Kato M, Ito H, Suhara T. Norepinephrine in the brain is associated with aversion to financial loss. Mol Psychiatry (2013) 18: 3-4
  • Takahashi H. Monoamines and assessment of risks. Curr Opin Neurobiol (2012) 22(6):1062-1067
  • Takahashi H, Takano H, Camerer C, Ideno T, Okubo S, Matsui H, Tamari Y, Takemura K, Arakawa R, Yamada M, Eguchi Y, Murai T, Okubo Y, Kato M, Ito H, Suhara T. Honesty mediates the relationship between serotonin and reaction to unfairness. Proc Natl Acad Sci U S A (2012) 109(11):4281-4284
  • Takahashi H, Matsui H, Camerer CF, Takano H, Kodaka F, Ideno T, S Okubo S, Takemura K, Arakawa R, Eguchi Y, Murai T, Okubo Y, Kato M, Ito H, Suhara T. Dopamine D1 receptors and nonlinear probability weighting in risky choice. J Neurosci (2010) 30(49):16567-16572.
  • Takahashi H, Kato M, Matsuura M, Mobbs D, Suhara T, Okubo Y: When Your Gain is my Pain and Your Pain is my Gain: Neural Correlates of Envy and Schadenfreude. Science (2009) 323: 937-939
             

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