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応用脳科学アカデミー

2023年度

感覚ダイバーシティを考慮したインクルーシブデザインの推進:小山 慎一(筑波大学 芸術系 教授)

 これまで感覚ダイバーシティ・感覚過敏の多くは見過ごされ、社会的にはネガティブな事象として扱われてきました。当事者やその家族は生きづらさを強いられてきました。しかし、感覚ダイバーシティ・感覚過敏を科学として取り扱うことで敏感さを能力の一つとして抽出できる可能性があるだけでなく、敏感さを考慮することによって多くの人にとっても居心地のよい環境を構築できる可能性があります。本講演では演者らが行ってきた心理学・脳科学的アプローチによる感覚ダイバーシティ・感覚過敏のメカニズム解明のための研究、感覚過敏とアートの研究、および、多様な感覚をもつ人々が共生するためのデザインの研究の成果を紹介します。さらに、参加者の皆さんとともに、私たち一人一人が持つ敏感さ、鈍感さなどの感覚の個性や、多様な感覚をもつ人々が共に快適に暮らし、互いに理解を深め、今まで以上に能力を発揮できる社会とはどのようなものについて考えてみたいと思います。

講師

小山 慎一 先生
筑波大学 芸術系 教授

日時

2023年10月18日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)第2部 14:20~15:30
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン(Zoom)

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

小山 慎一 (こやま しんいち)先生先生

現職

  • 筑波大学 芸術系 教授

経歴

2002-05 ボストン大学心理学部博士後期課程修了 博士(心理学)
2002-08 — 2002-10 Boston University Department of Psychology Research Fellow
2002-11 — 2003-03 Massachusetts General Hospital, Harvard Medical School Department of Radiology Research Fellow
2003-04 — 2006-03 日本学術振興会(千葉大学)特別研究員(PD)
2006-04 — 2007-03 昭和大学医学部神経内科普通研究生(ポスドク相当)
2007-04 — 2011-04 千葉大学工学研究科デザイン科学専攻助教
2007-05 — 2017-03 千葉大学工学研究科デザイン科学専攻准教授
2014-04 — 2015-03 Nanyang Technological University School of Mechanical and Aerospace Engineering Visiting Associate Professor
2017-04 — (現在) 筑波大学芸術系教授

研究概要

私たちの研究室では実験心理学的な手法や脳科学的な手法を用いて,デザイン・感性・消費者行動に関するさまざまな問題に取り組んでいます。視線追跡装置,筋電計,心拍計,fNIRS,脳波,fMRIなどの様々な計測装置を用いてユーザーの行動や心の動きを定量的かつ客観的に評価している点が特徴的です。今あるデザインの良し悪しを評価するだけでなく,現在のデザインの隠れた問題点を発見・解決し,未来の新しいデザインを創り出すことをミッションにしています。

主な業績

  • Tang G., Izumi, K., Izumisawa, M., Koyama, S. Analysis of Japanese consumers’ attitudes toward the digital transformation of OTC medicine purchase behavior and eHealth literacy: an online survey for digital experience design. Frontiers in Digital Health, 5 (2023). https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fdgth.2023.1173229
  • Zhang, X., Zhang, Ming., Huang, Y., Koyama, S. A Survey on Sensory Hypersensitivity Among University Students in Japan and China. International Journal of Affective Engineering 22(1), 11-16, 2023. https://doi.org/10.5057/ijae.IJAE-D-22-00004
  • Vargas Meza, X., Koyama, S. A social media network analysis of trypophobia communication. Scientific Reports 12, 21163 (2022). https://doi.org/10.1038/s41598-022-25301-3
  • Song, N., Koyama, S. Depth perception between dots and the background face reduces trypophobic discomfort. BMC Psychology 10, 291 (2022). https://doi.org/10.1186/s40359-022-01006-0
  • Kuo, J.Y., Chen, C.H., Koyama, S., Danni Chang, D. Investigating the relationship between users’ eye movements and perceived product attributes in design concept evaluation. Applied Ergonomics, 94, 103393 (2021). https://doi.org/10.1016/j.apergo.2021.103393
  • 小山 慎一.消費者行動におけるリテラシーの問題.日本官能評価学会誌/25(2)/pp.77-80, 2121
  • 小山 慎一, 大竹 美緒, 張 銘, 宋 南昕. 多様な感覚を持つ人々が共生するためのデザインの提案. 日本デザイン学会研究発表大会概要集, 66, 60, 2019
             

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