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  4. 脳科学の基礎知識(1)~(3):片岡 洋祐(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 生体制御学講座 特命教授)

応用脳科学アカデミー

2024年度

脳科学の基礎知識(1)~(3):片岡 洋祐(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 生体制御学講座 特命教授)

第1回

「もの」と「情報」があふれる社会から、「幸福」・「快適」社会への転換が模索され始めています。そうした中、「こころ」と脳の関係など、脳科学への関心も高まっています。しかし、一般に、脳の機能を理解することは大変難しいと思われており、ビジネスにどのように利用すればよいかわからないといった声もよく聞きます。本講義ではさまざまなビジネスに携わる方を対象に、脳の機能について基礎から解説し、ビジネスへの応用に結び付くポイントをお示しします。第1回目は脳がはたらく基本原理について、特に脳はその領域(場所)によって受け持つはたらきが異なることや、脳を構成する細胞について解説いたします。また、脳の神経回路の最小単位であるニューロンの基本的な機能について説明いたします。

第2回

人間の脳では数百億個のニューロンがお互いに結びついて複雑なネットワーク(神経回路)を構築しています。ニューロンとニューロンの間はシナプスと呼ばれる電子顕微鏡でしかみえない隙間があいており、そこを神経伝達物質と呼ばれる化学物質が媒介して情報を伝えています。第2回はシナプスの構造と機能、そして神経伝達物質のはたらきなどについて説明し、脳で記憶が形成されるメカニズムなど、いわゆる脳の可塑性について解説いたします。

第3回

脳の構造やはたらきを観察・測定するために用いられる技術・装置について紹介し、その長所と短所を解説します。また、第1回・第2回の講義内容をうけて、ビジネス応用に重要な脳科学的な視点について考えます。特に脳や神経回路の機能原理に基づいた脳科学的な立場から、社会や人の行動を理解し、さらに新しいビジネス領域を創造できる可能性について考えてみたいと思います。

講師

片岡 洋祐 先生
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 生体制御学講座 特命教授
理化学研究所生命機能科学研究センター 分子標的化学研究チーム 客員主管研究員(兼務)

日時

第1回 2024年06月18日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)第2部 14:20~15:30
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。
第2回 2024年06月26日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)第1部 13:00~14:10
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。
第3回 2024年07月09日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)第1部 13:00~14:10
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

ハイブリッド開催(会場:株式会社NTTデータ経営研究所会議室(千代田区平河町(地図)&Zoom)

お問い合せ先

本講義に関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

片岡 洋祐(かたおか ようすけ)先生

現職

  • 神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 生体制御学講座 特命教授
  • 理化学研究所生命機能科学研究センター 分子標的化学研究チーム 客員主管研究員(兼務)

経歴

  • 平成 4年3月 滋賀医科大学医学部卒業
  • 平成 4年4月 京都大学大学院入学(医学研究科博士課程生理系専攻)
  • 平成 8年3月 京都大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士取得)
  • 平成 8年4月-平成13年3月 (財)大阪バイオサイエンス研究所・研究員
  • 平成13年4月-平成17年6月 関西医科大学医学部解剖学・講師
  • 平成17年7月-平成21年3月 大阪市立大学大学院医学研究科システム神経科学・講師
  • 平成21年4月-平成25年3月 (独)理化学研究所分子イメージング科学研究センター細胞機能イメージング研究チーム・チームリーダー
  • 平成25年4月-平成30年3月 国立研究開発法人理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター細胞機能評価研究チーム・チームリーダー
  • 平成30年4月- 令和 5年3月 国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター細胞機能評価研究チーム・チームリーダー、理研-JEOL連携センターマルチモダル微細構造解析連携ユニット・ユニットリーダー(兼務)
  • 令和 5年 4月 現職

研究概要

脳や身体の疲労や炎症、老化のメカニズムと予防・治療法について、個体レベルから分子・細胞レベルまでを結びつけながら研究をおこなっています。特に、身体の中で分子や細胞がどのような役割を担っているのか、また、こうした病態や老化とどのように関係しているのかを、個体まるごとでイメージングできる陽電子放射断層撮影法(PET)や組織・細胞が観察できる光学顕微鏡、そして、細胞内部までを詳細に観察できる電子顕微鏡を組み合わせて調べています。さらに、こうした分子・細胞レベルの基礎研究成果を、人間の日常生活での気分改善や健康増進へ応用するための新たな手法・技術を開発することを目指しています。

主な業績

国際論文
  • Tamura, Y., Takahashi, K., Takata, K., Eguchi, A., Yamato, M., Kume, S., Nakano, M., Watanabe, Y., and Kataoka, Y. Noninvasive evaluation of cellular proliferative activity in brain neurogenic regions in rats under depression and the treatment by enhanced [18F]FLT PET imaging. J. Neurosci., 36, 8123-8131 (2016).
  • Yamano, E., Sugimoto, M., Hirayama, A., Kume, S., Yamato, M., Jin, G., Tajima, S., Goda, N., Iwai, K., Fukuda, S., Yamaguti, K., Kuratsune, H., Soga, T., Watanabe, Y., and Kataoka, Y. Index markers of chronic fatigue syndrome with dysfunction of TCA and urea cycles. Sci. Rep. 6: 34990 (2016).
  • Nakano, M., Tamura, Y., Yamato, M., Kume, S., Eguchi, A., Takata, K., Watanabe, Y., and Kataoka, Y. NG2 glial cells regulate neuroimmunological responses to maintain neuronal function and survival. Sci. Rep. 7: 42041 (2017).
  • Kume, S., Nishimura, Y., Mizuno, K., Sakimoto, N., Hori, H., Tamura, Y., Yamato, M., Mitsuhashi, R., Akiba, K., Koizumi, J., Watanabe, Y., and Kataoka, Y.. Music improves subjective feelings leading to cardiac autonomic nervous modulation: A pilot study. Front. Neurosci. 11: Article 108 (2017).
  • Tamura, Y. and Kataoka, Y. PET imaging of neurogenic activity in the adult brain: toward in vivo imaging of human neurogenesis. Neurogenesis 4(1): e1281861 (2017).
  • Takeuchi, Y., Okinaka, Y., Ogawa , Y., Kikuchi-Taura, A., Kataoka, Y., Gul, S., Claussen, C., Boltze, J., Taguchi, A., Intravenous bone marrow mononuclear cells transplantation in aged mice increases transcription of glucose transporter 1 and Na+/K+-ATPase at hippocampus followed by restored neurological functions. Front. Aging Neurosci., 12: Article No. 170 (2020).
  • Tamura, Y., Takata, K., Matsubara K., Kataoka, Y., Alpha-glycerylphosphorylcholine increases motivation in healthy volunteers: A single-blind, randomized, placebo-controlled human study. Nutrients 13 (6): 2091 (2021). 

など

日本語論文
  • 片岡洋祐、武坂寿夫 気分の動きをみる新しい技術「KOKOROスケール」自動車技術第66巻12号86-90 (2012).
  • 片岡洋祐 原因別疲労動物モデルと分子神経病態 日本生物学的精神医学会誌 24, No. 4, 211-217 (2013).
  • 片岡洋祐、久米慧嗣 メタボローム解析による疲労病態研究と慢性疲労症候群診断バイオマーカーの開発 医学のあゆみ Vol. 249 No. 4 299-303 (2014).
  • 片岡洋祐 各種生体データを用いた疲労・ストレス評価 製品開発のための生体情報の計測手法と活用ノウハウ -脳計測・生理計測に基づく客観的な感性評価を商品へ活かす- 149-156 (2017).
  • 田村泰久、片岡洋祐 神経炎症制御にかかわるNG2グリア 特集『「病は気から」の謎に迫る Neuroimmunology』 実験医学 (医学書院), 第36巻 第3号 389-393 (2018).
  • 田村泰久、片岡洋祐 脳内神経炎症から神経を保護するグリア細胞 日本認知症学会誌 Vol. 34, 8-12 (2020). 久米慧嗣、小林宣夫、片岡洋祐 ストレス・疲労のセンシングとその評価技術(株式会社技術情報協会)第3節「疲労・ストレス・未病時における分子代謝・超微細構造に基づくバイオマーカー探索研究の取り組み」 183-192 (2019).
  • 片岡洋祐 脳内幹細胞・前駆細胞のイメージング及び操作技術が解き明かす脳組織の機能維持機構 YAKUGAKU ZASSHI 141 No. 3: 343-348 (2021). 片岡洋祐、田村泰久、中枢神経炎症制御とNG2グリア 生体の科学 特集「脳と身体」 72(5): 416-418 (2021).

など

講演

  • 平成28年1月26日 第11回スマートウエルネス研究会 「情動変化の科学的解明と新事業開発への応用」
  • 平成28年12月14日 ベネッセ地域医療セミナー 「認知症への理解 ~脳科学の視点で~」
  • 平成29年1月20日 健康科学ビジネス推進機構「快適性の追及」事業家コンソーシアム 「疲労および情動変化の科学的解明とヘルスケア産業への応用」
  • 平成30年4月13日 日中平和友好条約締結40周年記念フォーラム・アジア・プライマリ・ヘルスケアフォーラム2018 「日本・理化学研究所における抗疲労・ヘルスケア研究とその展開」
  • 令和元年5月23日 伊藤園健康フォーラム~お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~ 「茶道の先生はなぜ若々しいのか」

など

             

関連講義