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応用脳科学アカデミー

2025年度

マインドフルネスとコンパッションから考える意思決定:藤野 正寛(立命館大学 OIC総合研究機構 客員教授)

社会やビジネス環境が不安定で予測が難しい時代に、私たちの周りには答えのない問いが増え続けています。そのような問いと向き合う際に、従来の正解があることを前提とした知的なアプローチだけでは、社会や環境、さらには自分自身と調和のとれた意思決定を行うことが難しくなっています。近年、このような状況において、マインドフルネスやコンパッションの観点から、頭だけでなく、身体感覚に基づいた意思決定に注目が集まっています。私たちは五感に刺激が入力されたり、頭の中で思考が生じたりすると、身体感覚が生じます。そして、その身体感覚に従って、それらの対象に対する快不快が生じ、それに基づいて意思決定を行なっていると考えられています。本講義では、マインドフルネスやコンパッションに関する科学的な知見を紹介しながら、身体感覚を活用した新しい意思決定について考えていきます。

講師

藤野 正寛 先生
立命館大学OIC総合研究機構 客員教授

講義:オンデマンド配信

お問い合せ先

本講義に関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

藤野 正寛(ふじの まさひろ)先生

現職

  • 立命館大学OIC総合研究機構 客員教授
  • 合同会社flow 代表社員

経歴

瞑想家、認知心理学者、博士(教育学)。
2004年に神戸大学経営学部卒業後、シスメックス株式会社で経営企画管理業務に従事。10日間の瞑想リトリートに参加し、瞑想がウェルビーイングに貢献することを体感し、瞑想研究を行うために退社。2012年に京都大学教育学部に編入学、2019年3月に京都大学教育学研究科博士課程修了。独立行政法人日本学術振興会特別研究員(DC1) 、京都大学大学院教育学研究科助教、NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員などを経て現職。

研究概要

瞑想実践を通じて出てきた問いをもとに、認知心理学的手法やMRI装置、生理活動計測装置などを用いて、瞑想の生理・心理・神経メカニズムを解明する研究を進めている。また、それらの研究成果に基づいて、瞑想を医療、教育、ビジネスの各分野に導入することに取り組んでいる。

主な業績

  • Fujino, M., Ooishi, Y., Ueda, Y., KItagawa, N., & Nomura, M. (2024). Prior brief meditation reduces distractor inhibition during cognitive interference. Frontiers in Psychology, 15, 1445327.
  • 野村康生, 高橋康介, 北川智利, 藤野正寛, Kenji “Noiz” Nakamura (2023). 現代アーティストと心理学者による共創的活動の記録. 日本心理学評論, 66(1), 4-23.
  • Fujino, M., Watanabe, K., & Yamakawa, Y. (2022). The personal trait of spiritual growth is correlated with the white matter integrity of the brain. frontiers in Human Neuroscience, 16, 890160.
  • Takahashi, T., Saito,, J., Fujino, M., Sato, M., & Kumano, H. (2022). The validity and reliability of the short form of the five facet mindfulness questionnaire in Japan. frontiers in Psychology.
  • 藤野正寛. (2021). 瞑想における平静さの構成概念と神経メカニズム. 心理学評論, 64(3), 274-294.
  • Ooishi, Y., Fujino, M., Inoue, V., Nomura, M., & Kitagawa, N. (2021). Differential effects of focused attention and open monitoring meditation on autonomic cardiac modulation and cortisol secretion. Frontiers in Physiology, 12,675899.
  • 藤野正寛, 上田祥行, 井上ウィマラ, イエット・G・サンダーズ, スティーブン・マーフィ重松, 野村理朗 (2019). 心理学実験のための集中・洞察・慈悲瞑想の短期介入インストラクションの開発. マインドフルネス研究, 4, 10-33.
  • Fujino, M., Ueda, Y., Mizuhara, H., Saiki, J., & Nomura, M. (2018). Open monitoring meditation reduces the involvement of brain regions related to memory function. Scientific Reports, 8, 9968.
  • 藤野正寛・上田祥行 (2017). マインドワンダリングの低下に関わる集中瞑想と洞察瞑想の神経基盤. 精神科治療学, 32(5), 645-650.
  • 藤野正寛・梶村昇吾・野村理朗 (2015). 日本語版Mindful Attention Awareness Scaleの開発および項目反応理論による検討. パーソナリティ心理学会, 24, 61-7.

             

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