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応用脳科学アカデミー

アドバンス 2021年度

情動・感情・コミュニケーション:岡ノ谷 一夫(東京大学 教養学部 生命・認知科学科 認知行動科学分科 教授)

近年、情報科学の進歩により、テレビ会議や携帯電話の絵文字など、さまざまなコミュニケーションツールや手法が開発され、生活の利便性向上に寄与しています。その一方で、この利便性ゆえに個人間・集団間に深刻なコミュニケーション不全が起こるなど、対面会話が主たるコミュニケーション手段であった時代には見られなかった諸問題が発生しています。このことは、「怒り」「喜び」「悲しみ」「不安」といった心の状態を表す情動情報の伝達が不充分であることに起因しているものと考えられます。

本講義では、人間の情動がどのように発生し、それをどのように表現し、伝達することができるかについて解説します。さらに、非言語情報としての情動情報の現れ方を計測するなど、科学的に情動情報を取り扱うことから、将来的にどのような活用が可能かについても述べます。

講師

岡ノ谷 一夫 先生
東京大学 教養学部 生命・認知科学科 認知行動科学分科 教授

日時

2021年12月15日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※岡ノ谷先生の講義は、14:20~15:30です。

場所

NTTデータ経営研究所 セミナールーム

入館方法

JA共済ビルのエントランスフロアで受付を済ませてから、左側のエレベーターにて9階までお越しください。9階に着きましたら、片側のガラス越しに社名が掲示されています。そちら側よりご入室いただきますと、右側奥に応用脳科学アカデミー受付(臨時設置)がございます。

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

岡ノ谷 一夫(おかのや かずお)先生

現職

  • 東京大学 教養学部 生命・認知科学科 認知行動科学分科 教授

経歴

  • 昭和58年3月 慶應義塾大学 文学部社会心理教育学科 卒業
  • 昭和58年8月 メリーランド大学大学院 心理学部 修士課程 入学
  • 平成元年4月 メリーランド大学大学院 心理学研究科 修了、Ph D.
  • 平成元年4月 日本学術振興会特別研究員(上智大学博士研究員)
  • 平成2年10月 科学技術庁科学技術特別研究員(農業研究センター客員研究員)
  • 平成5年10月 井上科学財団特別研究員(慶応義塾大学 心理学研究室 訪問研究員)
  • 平成6年3月 千葉大学 文学部 助教授・大学院 自然科学研究科 兼任助教授
  • 平成8年10月~平成17年3月 科学技術振興事業団・さきがけ21兼任(知と構成・情報と知・協調と制御各領域)
  • 平成16年4月~平成17年3月 理化学研究所 脳科学総合研究センター兼任
  • 平成17年4月~平成22年6月 理化学研究所 脳科学総合研究センター生物言語研究チームチームリーダー
  • 平成20年10月~平成26年3月 JST-ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクト研究総括
  • 平成22年7月~現在 東京大学大学院総合文化研究科教授
  • 平成22年7月~現在理化学研究所非常勤チームリーダー

研究概要

従来、心理学の領域とされてきた情動の研究を、脳神経科学・心理学・言語学・情報学の融合科学として再定義し、あらたな情動モデルを構築することを目指している。この情動の生成・伝達メカニズムを科学的に解明することにより、情動情報のモデル化が可能となり、言語情報と合わせて情動情報が伝達可能なものとなれば、新たな社会的コミュニケーションツールの開発などにも貢献しうると考えられる。

主な業績

  • Kutsukake, N., Inada, M., Sakamoto, S. H., & Okanoya, K. (2019). Behavioural interference among eusocial naked mole rats during work. Journal of Ethology. doi:10.1007/s10164-018-0581-9
  • Nakai, T., Rachman, L., Arias, P., Okanoya, K., & Aucouturier, J.-J. (2019). A language-familiarity effect on the recognition of computer-transformed vocal emotional cues. bioRxiv, 521641. doi:10.1101/521641
  • Nakatani, H., Muto, S., Nonaka, Y., Nakai, T., Fujimura, T., & Okanoya, K. (2019). Respect and admiration differentially activate the anterior temporal lobe. Neuroscience Research, 144, 40-47. doi:10.1016/j.neures.2018.09.003
  • Furutani, A., Mori, C., & Okanoya, K. (2018). Trill-calls in Java sparrows: Repetition rate determines the category of acoustically similar calls in different behavioral contexts. Behavioural Processes, 157, 68-72. doi:110.1016/j.beproc.2018.08.010
  • Hessler, N. A., & Okanoya, K. (2018). Physiological identification of cortico-striatal projection neurons for song control in Bengalese finches. Behavioural Brain Research, 349(3), 37–34. doi:10.1016/j.bbr.2018.04.044

             

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