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応用脳科学アカデミー

     

アドバンス2025年度

デジタル脳とは何か、どう作りどう使うのか:銅谷 賢治(沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授)

日本の大型脳科学プロジェクト「革新脳・国際脳」が2024年3月に終了し、その後継として「脳神経科学統合プログラム」が6年間のプロジェクトとしてスタートした。その大きな特徴は、マウスからヒトまで異なる種の脳の構造、遺伝子、...

「うつ病:その対処と治療から脳科学まで」:加藤 忠史(順天堂大学 医学部精神医学講座 主任教授)

うつ病、という言葉は広く知られていますが、「うつ病とは何か?」と議論し始めると、専門家の間でも議論が起きるかも知れません。本当は心理的反応として捉えるべきケースでも、症状の表面だけでうつ病と診断されてしまう可能性もありま...

AIと社会:中川 裕志(理化学研究所・革新知能統合研究センター・チームディレクター)

AIが人間より高い能力を持ち、人間にとっての脅威になるというような危惧から発展してきたAIのELSI、とりわけAI倫理ではあるが、その根拠が薄弱であることは理解されてきている。代わって、ロボット、ヒューマンインタフェース...

脳科学的アプローチに基づく偽・誤情報対策:山崎和行(NTTデータ経営研究所 ニューロ・コグニティブ・イノベーションユニット アソシエイトパートナー)

偽・誤情報(フェイクニュース含む)は人間の認知・意思決定を混乱させることで、社会、政治、経済に大きな影響を及ぼすことが知られている。AI技術をはじめとする情報技術の進展に伴い、偽・誤情報対策技術は目覚ましい進展を遂げてい...

障がい者から学ぶヒト脳の多様性と可能性:中西 智也(NTTデータ経営研究所 ライフ・バリュー・クリエイションユニット シニアコンサルタント)

近年の脳科学研究は、人間の脳に対する理解を大きく変えた。脳の構造や機能、神経ネットワークは一人ひとり異なり、「平均」や「定型」は存在しない。これが「ニューロダイバーシティ」の核心である。本講義では、脳科学の最新知見に基づ...

計算論的精神医学入門:山下 祐一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第七部 室長)

現行の精神障害の診断分類は、患者自身の主観的報告と医師による行動観察に基づいており、生物学的知見・病因・病態生理に基づいた体系になっていない。また、近年の生物学的知見の蓄積によっても、診断、重症度評価、予後や治療反応性予...

抽象と確率に関する脳の情報表現学習をモデル化する:豊泉 太郎(理化学研究所 脳神経科学研究センター 数理脳科学研究チーム チームディレクター)

我々の適応行動は、脳内で発現する「活動依存性シナプス可塑性」というメカニズムによって支えられており、新たな経験を通じて脳は環境情報の表現を学習します。本講演では、生物学的制約条件下において脳がいかに抽象的・確率的な情報表...

人間の情報処理プロセスから理解する消費者行動:有賀 敦紀(中央大学 文学部 教授)

消費者の知覚や記憶、選好や意思決定は人間の情報処理(認知)プロセスそのものであるため、消費者行動を科学的に理解するためには認知心理学的アプローチが有用である。本講義では、まず認知心理学の基本的考え方を解説し、フィールドで...

計算社会科学でフェイクニュース拡散の仕組みに迫る:笹原 和俊(東京科学大学 環境・社会理工学院 イノベーション科学系 教授)

2016年以降、嘘やデマ、陰謀論やプロパガンダ、こうした虚偽情報がソーシャルメディアを介して大規模に拡散し、現実世界に混乱や悲劇をもたらす事象が次々と発生している。さらに近年では、生成AIの台頭により、虚偽情報が高度化・...

今度こそ分かる自由エネルギー原理の急所:乾 敏郎(京都大学 名誉教授)

 自由エネルギー原理は難しくて分かりにくいというお話をよく聞きます。そこで急所を押さえながら、できるだけ分かりやすく解説します。 1.自由エネルギー原理とは何か(5分)ただのベイズ推論ではない(身体化によるembodie...