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応用脳科学アカデミー

     

視覚学習における睡眠の役割:玉置 應子(理化学研究所 脳神経科学研究センター 認知睡眠学理研白眉研究チーム 理研白眉チームリーダー)

視覚学習とは、視覚的な経験をした後である特徴においてパフォーマンスの向上が比較的長く続くことを指す。視覚学習では訓練後の睡眠期間が重要な役割を果たすことが示唆されている。睡眠に伴う視覚学習の向上には、少なくとも2つの異な...

認知心理学から見た情報デザインと注意制御:河原 純一郎(北海道大学 大学院 文学研究院 心理学 講座 教授)

注意は適応的に行動し、身の回りのものごとを認識するために欠かせない機能ですが、多面性をもっており、いくつもの働きと特性があります。本講義では、まず注意の3つの主要な制御の仕方について解説します。「この位置に注目して、他は...

初期経験がつくる「こころ」と「脳」の発達および感受性期〜マルトリートメントによる脳への影響と回復へのアプローチ〜:友田 明美(福井大学子どものこころの発達研究センター 教授・センター長)

小児期の被虐待経験と「傷つく脳」との関連が明らかになった。こうした脳の傷は後遺症となり、将来にわたって影響を与える。心的外傷体験からくるPTSD、うつ病、自殺企図、解離など、その影響は計り知れない。しかし、子どもの脳は発...

花の観賞が心と身体、脳へ与える効果:望月 寛子(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 上級研究員)

キレイな花を見て「癒された」と感じたことはありますか?ストレス社会といわれる現在では、多くのヒトが癒しを求めているのかもしれません。では、この「癒された」という感覚の背後にはどのようなメカニズムがあるのでしょうか?本講義...

心理学における心の数値化(1):妹尾 武治(九州大学芸術工学研究院 准教授)

心理学では、心の内容(主観世界)を数値化することが、長年取り組まれて来た。実際にいくつかは成功と言える例がある。一方で、世間一般には不十分な形での心理アンケートのようなものがはびこり、それが心理学のイメージを低いものにし...

嗅覚の情報処理機構とヒト社会での香りの有効活用:東原 和成(東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授)

人間にとって、においや香りを感じる嗅覚は、料理をおいしく食べ、季節の移ろいなどを感じるために重要であり、生活のQOLに大きく影響します。においの感覚は、嗅覚受容体遺伝子といった先天的なもの、経験や学習など記憶によるもの、...

脳科学の基礎知識(2):片岡 洋祐(国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター 細胞機能評価研究チーム・チームリーダー)

人間の脳では数百億個のニューロンがお互いに結びついて複雑なネットワーク(神経回路)を構築しています。ニューロンとニューロンの間はシナプスと呼ばれる電子顕微鏡でしかみえない隙間があいており、そこを神経伝達物質と呼ばれる化学...

人工知能と社会をめぐる課題にどう向き合うか:江間 有沙(東京大学 未来ビジョン研究センター 准教授 )

近年、人工知能(AI)サービスや製品の社会実装が拡大する一方で、AIの信頼性に係る問題が発生しています。これに関しては国連をはじめとする国際機関のほか、各国政府、産業団体などが緩やかに連携して原則づくりやその実装に向けた...

うつ病:その対処と治療から脳科学まで:加藤 忠史(順天堂大学 医学部精神医学講座 主任教授)

うつ病、という言葉は広く知られていますが、「うつ病とは何か?」と議論し始めると、専門家の間でも議論が起きるかも知れません。本当は心理的反応として捉えるべきケースでも、症状の表面だけでうつ病と診断されてしまう可能性もありま...

人工知能は脳から何を学べばいいのか:銅谷 賢治(沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授)

今日の人工知能は、パターン認識やゲームなど特定の課題では人間を超える性能を実現していますが、総合的に見ると人間や脳には遠く及ばない面がいくつもあります。特徴的なのは、1) 約20ワットと言われる低エネルギー消費で高度な知...